恵比寿の駄菓子屋「きりんちゃんのだがしや」へ参る

駄菓子屋ストーリー

駄菓子屋を彩るお洒落オブジェきりんとプチリッチマンへの道

このほど訪れる駄菓子屋は
恵比寿駅近く、広尾の地に店を構える「きりんちゃんのだがしや」

かのお洒落地帯に、一小市民の私が訪れられるような“駄”菓子屋があっただろうかと
一抹の不安を胸に駅へと降り立つ。

…恵比寿に駄菓子屋?

さしずめブルジョワジーな小学生が胴体の長い車で乗り付け、トンボメガネをかけたママンと連れ立ち入ってゆく店内は昼間なのに薄暗く一見さんはお断りといった具合だろう。入口には屈強なガードマンたちが控え

ここは会員制だよお嬢ちゃん

などとあわれ全身ユニクロマンの私はつめたい門前払いをくらう。傷つき困惑し“分不相応”という言葉の意味をかみしめながら、今来た道をすごすごと引き返す自分の姿を想像するだけで涙がこぼれそう。そんなことになったら私はいったいどうすればい…

などと、いよいよ想像力も逞しくなってきたところでちょうど到着するくらいの距離。
はい着いたー!

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駄菓子屋「きりんちゃんのだがしや」入店す

きりんの絵きりん
(ひかえめな“だがしや”の文字!)

左手より中へ、…と
きりんの置物きりんの置物と付け髭

扉前に凛と佇むお洒落オブジェきりん。Here is EBISU!(厳密にはHIROO!)
なかなか精悍なお顔立ちでいらっしゃいます。

襟元を正し、いざ、お邪魔致します!
駄菓子屋さんの内観
オオオオオ???
陳列された駄菓子

通りからのポップ&アートな印象とは打って変わり、
中はしっかり正統派の駄菓子屋さんといった風情。

店内いっぱいにひしめきあいながらも、どこか品よく陳列棚に整列する駄菓子たち。
やはり恵比寿という土地においては駄菓子諸君ですら居住まいを正さずにはいられないと、そういうわけだろうか。

駄菓子屋「きりんちゃんのだがしや」誕生秘話

このお店は、店主の二見さんが大学を卒業してすぐ始められたそう。

恵比寿の街に駄菓子屋さんというと、どこかちぐはぐ感のある珍しい存在なのかと思いきや
そんなことはないらしく、なんでも昔はこの界隈にも5軒の駄菓子屋さんがあったとか。

しかし時代の移り変わりとともに街も少しずつ趣を変えてゆく。

かつて通った思い出の駄菓子屋がすべてなくなった時、
恵比寿が寂しくなってしまう。子どもたちに、思い出となる場所をつくれたら
そう思ったことが、お店をスタートしたきっかけなのだとお話ししてくださった。

夕暮れ

思い出の場所の記憶は、人生を歩む上での支えとなり、
思い浮かべるたびごとに、心をじんわりと温めてくれます。
その尊さをご自身の体験として実感されているからこそ、お店が子どもたちの思い出の場所となることを、
つよく願うのかもしれません。

親しまれて17年。
日中は、おしゃれビジネス街の恵比寿よろしくサラリーマンやOLが訪れ、
夕刻には学校終わりの小学生で賑わう。
はたまたオシャレカップルがデートの途中に立ち寄ったりと、
入れ替わり、立ち代わり、バラエティに富む客人が出入りするも、
目下私が恐れていたある種の排他的な雰囲気などみじんもなく、
むしろ「お、お互いイイ店知ってんね!」などと肩など叩き合いたいような心持ち。

さて、勝手な常連感と同士間を感じ始めたところで早速店内を物色。

パンダのイラストグミ
うお〜〜〜懐かし〜〜〜  コレもコレ。すきすき。

チョコの駄菓子ガム

店内ラインナップは
かつて駄菓子屋常連少年だった二見さんが
これまで親しんできた駄菓子の中から選抜された精鋭たち。
加えてお客さんの要望で入れ始めたものもあるそうで、ニーズに柔軟に対応している。

それでも
「仕入れたい駄菓子がまだまだたくさんある。今はその半分くらいしか入れられてないんです。」
と悔しそうにこうべを垂れるそのお姿もまた。よき。

仕入れについては、品質管理と時節に特に注意しているとのこと。
賞味期限はいつまでか、チョコレートの入荷は秋口から春先まで。
などなど、気を配らなければいけないことはたくさん。

確かに駄菓子がワサーッと棚に立ち並ぶ光景は壮観で心踊るけれど、
一転“管理”のことを考えますと、一気にめまいが…(ぶるぶる)

しかしこの徹底した品質管理こそが、
冒頭、店に入った時に感じたあの「居住まいのよさ」に繋がっているのだと納得。

駄菓子屋さんの内装

駄菓子屋を駆け巡るチルドレンたち

さて、なおも迷い店内をうろつく不審客(私)を横目に、スマートにお買い物をしてゆく恵比寿チルドレンたち

チ「あ、小銭が全然ないや。お札でもいいですか?
私「(!!!?)」

小銭がないですって?!?プチリッチマン、おそるべし。

いいなあ、私もそんな風にかっこよく買い物したい。
どうせ決められないのだし、なんならここからここまで全部くださーーーいってキブン。

…と、いけないいけない。
スマートなエビチルを前に、私の中の邪なリッチマン願望が顔を出してしまった。

でも、華やかな街に疲れたらここで思い切り大人買い(!)して、
ひそかにプチリッチマン気分を味わうのもいいかもしれない。

しかし、恵比寿チルドレンたちを見ていますと、
自分の目で見て、触って、悩み、時には計算に苦心しながらもひとつの菓子に真摯に向き合うその姿勢に、
はっとさせられます。

買い物のクールさとは、スマートな身のこなしでもなく、数でもなく、むろん金額の大小でもなし。
己の目とフィーリングで選び取ったそれの価値を信じ、全力で楽しもうとするその心意気。

その中で、プチリッチマンを気取るもよし。
気取らぬもよし。

小さな袋を嬉しそうにぶらぶらさせながら、
帰りしな『ありがとう』の言葉とともに軽く会釈し店を後にする彼らの背中は、
まさに“クール”そのものでありました。

〜オマケ〜

冒頭紹介した「おしゃれオブジェきりん」という言葉は早口言葉にぴったりではないかな。

おしゃれおぶじぇきりん!おしゃべおぶできりん!!おしゃでおぷでぷりん!!!

付け髭のパーティーグッズ
まあ私は言えないけどねッ!

【基本情報】
*店名:きりんちゃんのだがしや
*住所:東京都渋谷区広尾1-13-16 T &Tビル1F
*営業時間:平日11:00~18:00/土日祝10:00~17:00
*定休日:第一第三日曜日

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手塚 みつ子

手塚 みつ子

北海道出身、AB型。 好きな駄菓子は「どらチョコ」。 中学時代「ポテトスナック」との衝撃的出会いから一時しょっぱい系駄菓子に傾倒するも、二十歳を過ぎて再び「どらチョコ」路線に落ち着く。 特技は竹馬。なかなか披露の場がなく残念に思っている。
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