駄菓子・糸引き飴物語~糸と飴とのディスタンス(後編)~

駄菓子屋ストーリー

〜糸引き飴をどうやって食べるのか問題(後編)〜

さて、駄菓子・糸引き飴との攻防戦もいよいよ佳境に入ってまいりました。

前回までの項で、

糸と飴との絆は極めて強固で分かち難いものだということを学んだ私たちですが、そうなりますと、残る方法は…?

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【その3】駄菓子・糸引き飴をそのまま口へ

口を開けた人のイラスト

ぷらぷらはウザいし引き離すのは物理的に(倫理的にも)無理なので、もうそのままいっちゃえ。というこの方法。

へ?そのまま?糸は、糸はどちらへ?

そんなことしたらここから先、
糸はどちらへ問題が生じるではないかと思ったそこのあなた、私もまったく同じきもちです。

まさか器用に飴を舐める一方で、
糸は口端にだらしなくぶら下げておけというのでしょうか。

そんな、いくら1本の“糸”であっても、

そこまで存在が希薄なわけでなし、気にしないなんてことできません。第一ビジュアルの美しさは?

ああ、こんなことなら、初心者らしく
酒井さん(※笑顔の素敵なひまわり店主🌻)に食べ方まで指南していただくべきだった。

自分の詰めの甘さにがっくりと肩を落とす。
今更聞きにいくのも恥ずかしいけれど、、、

思ってたより随分早く、駄菓子屋「フレンドショップ・ひまわり」再訪。

駄菓子屋さんの緑色の玄関

私「あの…大変つかぬことをおうかがいするのですが、
糸引き飴の一般的な食べ方を教えていただけませんか?」

酒井さん「…へ?みんなそのままぶらさげて食べてますよ。
たまに取り出して眺めてみたりしてね。ほら、きらきらして綺麗だから。ふふふ」

…!ああ、やっぱり!!
糸はぷらぷらさせとくままなのかっ!

そして!たまに取り出して眺めるのか!(なにその素敵な活用法!)

あっさりと納得した私は、
再度実践してみるべく、糸引き飴をひとつ購入。

束ねられたカラフルな糸引き飴

そのまま酒井さんの前で、不器用に飴の咀嚼を実演。

私「あの、ちなみにこの時、糸は手にもつんでしょうか。」
私「あの、糸の位置はここでいいんでしょうか。やっぱり口の端っこでしょうか。」

もぐもぐと飴を舐めながらやかましく質問責めする私に(大変失礼致しました。)、
丁寧に答えてくれる酒井さん(ありがとうございました)。
(ちなみにどちらも別にどちらでもよいらしい。)

私「でもなんか、こう糸がぷらぷらしてると、やっぱり食べにくくないですか。」
酒井さん「そんな子は、口に入れてすぐ飴をガリガリ噛んで糸を切り離しちゃうの」

…!その手があったか!
ガリガリは盲点でありました。

しかしそうなると、前項でまとめた糸と飴との分かち難い絆話はどうしよう、マアいっか。

確かに、邪魔ならガリガリすりゃよいのです。目から鱗。口から糸。

きっと駄菓子・糸引き飴愛好者の間では、
時々取り出して眺める派と、邪魔だから噛んじゃう派の二派に分かれるのでしょう。

前者は繊細でロマンチストな文化系だろうし、
後者は豪快クールな体育会系。
その昔、糸引き飴の食べ方で男のタイプってわかるわよね〜と、クラスの女子たちで囁き合ったにちがいない。

赤い糸引き飴の糸を持つ図

駄菓子・糸引き飴の食べ方まとめ

フルーツ糸引き飴

結局一般的な駄菓子・糸引き飴の食べ方は
「がりがり噛み砕いて糸と飴を引き離す」豪快派と
「糸をぶら下げながら食べ、時たまその美しさを確認する」ロマン派といることがわかった。

危惧していた口から垂れる糸のビジュアル問題も、
いざ、こうなのだと自信をもって食べてみると思っていたより悪くない。
確固たる意志をもって臨めば、糸は、その垂れ下がる様子ですら可愛らしく見せてくれるものなのだ。

事実、後にネットで
糸引き飴を食べる稚児の様子を捉えた写真を見つけたけれど、
口から糸をぶら下げニッコリと微笑むその姿は、確かに良かった。

糸垂れ下がる口元に接吻などしてやりたくなるほどに愛らしかった。

現状に文句を言うのではなく、
いかに、自分で自分を可愛く見せることができるか。

糸が飴をマネジメントするように、
駄菓子・糸引き飴との出会いでもって、私たちは自己マネジメントの重要性を学ぶ。なんて奥深い。

聞くところによると、糸引き飴愛好者の中には、
食べ終わった後も、名残惜しさから糸をずっとしゃぶっていたなんて人もいるらしい(ちょっとばっちい。)

最後の最後、相棒を失った後でさえ、気丈にその役目を全うしようとする、糸。

その健気さに、胸をつかれる。

取り残されてなお、飴を恨まず、おまえが気に入ってもらえればそれで十分。これで俺も心置き無く浄土(ゴミ箱)へ行けるというものサ。ってそんな!糸サンあんたってひとはどこまで…!!

食べ終えた後の余韻の楽しみまでも、糸は私たちに提供してくれていたのでした。

いつでも華やかな世界の裏側では、泥臭く頑張る者たちの存在がある。
月が輝くためには太陽がいり、駄菓子・糸引き飴が輝くためには、糸がいる。

駄菓子屋さんの入り口の前で糸引き飴を揺らす図

最後に〜この議論はそもそも必要だったのか?〜

さて、読者諸君の中には、そろそろ、
コイツいつまで続けるんだこれをとややブチギレ気味の方もいるかもしれない。

そんな方には、本当に申し訳なく思うけれども、
しかしながら、ここで私がこの「駄菓子・糸引き飴をどうやって食べるのか」問題に関し、
疑問検証できたことには、ひとつ大きな意義がある。

それは今後、
子が買ってきた糸引き飴の食べ方がわからず
インターネットで調べるお母さんが必ずいるはずで、
その時にこの記事に辿り着いてくれれば、
自分のほかにも糸引き飴の食べ方に惑う先人がいたのだと安心して、
親も子も、ともに心置き無く駄菓子・糸引き飴を楽しめるようになるという点である。

その意味で、このレポートの果たした社会的役割は極めて大きい。

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手塚 みつ子

手塚 みつ子

北海道出身、AB型。 好きな駄菓子は「どらチョコ」。 中学時代「ポテトスナック」との衝撃的出会いから一時しょっぱい系駄菓子に傾倒するも、二十歳を過ぎて再び「どらチョコ」路線に落ち着く。 特技は竹馬。なかなか披露の場がなく残念に思っている。
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