今回やってきたのは、東京都大田区の「大鳥居」。
羽田空港まで京急線でわずか10分と、トラベラーには最高の街。
そして個人的な話で恐縮だが、筆者は以前羽田空港に勤務していたことがあるので、この辺は非常に馴染み深い。
当時住んでいた場所から羽田空港まで片道約1時間半。
通勤ラッシュ時の電車内で、もみくちゃにされながら1時間半を過ごすのがあまりに嫌だったので、毎朝6時半に家を出て始業より一時間早く会社に着くようにしていた懐かしい日々。
最近、東京都内の駄菓子屋さんをリサーチしていると、なんとかつての職場からすぐ近くの場所に素敵なお店を発見。
これぞ灯台下暗し。
通勤のストレスが自慢の駄菓子屋センサーをも鈍らせていたとは恐ろしい。
駄文はさておき、今回は創業から70年以上の駄菓子屋「吉田商店」さんにお邪魔してきた。
大鳥居駅で降りるのがこんな楽しみになる日が来るとは。
創業70年、万屋から駄菓子屋へ
大鳥居駅から歩いて15分程。
お店の威厳さえ感じさせる凛とした佇まいにやや緊張しながら扉を開けると、店主・吉田さんが優しく迎え入れてくださった。
突然の訪問だったが、快く取材に応じてくださり大変感謝。
創業は今から70年程前。
今の場所に移ってきたのは2004年だそう。
元々は化粧品から文房具、虫取り網なんかまで取り扱うなんでも屋として営業していたそうだが、徐々に駄菓子がメインに。
ご主人が亡くなられてからはタバコの取り扱いを始められたそう。
それ以外にも、小学生が使う上履きや体操着、ノートの販売もされている。
平日は朝7時から、土日も休まず営業
ネットで営業時間を調べたところ、平日はなんと朝7時から営業されている。
!?
吉田さん
「このあたりは工場も多いので、そこで働く方々がタバコを買いに来られるんですよ。
さすがにこの時間帯に駄菓子を買いに来る方はいないですね(笑)」
なるほど。
ちなみに筆者はタバコは吸わないが、朝から営業している駄菓子屋さんが自宅近くにあったら確実に毎朝の朝食は駄菓子になっていただろう。
梅ジャムとヤングドーナツあたり。
14-15時頃の放課後の時間帯になると、やはり近所の子どもたちが駄菓子を求めて駆け込んでくるが、吉田さんによると平日より土日の方がお忙しいそう。
吉田さん
「最近は子どもだけでなくて、家族で来られる方が増えてましたね。昔はこの辺にも駄菓子屋が幾つかありましたけれど、ほとんどなくなってしまって。遠方から来てくださる方もいますね。」
かつては学校帰りや散歩ついでにフラッと立ち寄る駄菓子屋さんが、今では遠方からわざわざ調べて来るお出かけスポットになっている。
それだけ駄菓子屋さんを愛してくれている人がいることは大変嬉しい。
でも、それだけ”身近な”ご近所駄菓子屋が減っていることを少し悲しくも思う。
吉田さんのお子さんからは、毎日営業しないでもっと休んだ方が良いと言われることもあるのだとか。
吉田さん
「でも、来てくれるお客さんが毎日いますからね。それに、用事があったり、近くのスーパーに行ったりするときは『〇〇時までに戻ります』って書いた張り紙を貼っておけば安心だから。休まずに頑張れていますよ。
休日ご家族で来られて、喜んでいる姿を見ると「続けててよかった」って心から思いますね。」
これからも、ご無理のない範囲で元気に続けていただけると一駄菓子屋ファンとしてはとても嬉しい。
駄菓子屋『吉田商店』ギャラリー
【基本情報】 ■住所 ■営業時間 |
今野 隆吾
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