北海道・苫小牧市の駄菓子屋「オリエント企画」〜クレープへのこだわり〜

北海道

2019年(※取材時)も終わろうとしている年の暮れ。

そこは空気が冷たく澄み、寒さが「しばれる※」と言われる氷の世界。
※北海道の方言で「とても寒い」という意味

気温は氷点下は当たり前。
白い吐息さえもそのまま凍ってしまうのではないかと思う寒さの中、訪れたのは北海道苫小牧市にある「オリエント企画」。

北海道発の駄菓子屋さんのご紹介です。

苫小牧はもともと雪が少ないため、スケートの街として発展し栄えました。

ホッケーチーム“王子イーグルス”が今もなお活躍しており、スピードスケートではオリンピック選手を何人も輩出しています。

ここは私が生まれ育った地であり、地元の同級生が繋げてくれた縁のおかげで新たな扉を開けることができました。

さぁ、行きましょう。
氷の世界、苫小牧へようこそ。

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駄菓子屋・オリエント企画はクレープ屋から始まった

雪が積もる公園
目の前はうっすらと雪が残る花園公園

目の前には大きな公園、花園公園(苫小牧市の中央部辺り)がある。

近くには小学校や地域の野球チームもあるため、常に子供達で賑わうエリアに佇む「オリエント企画」。

36年前に脱サラをして始めたというクレープ屋さんは、当時はまだ流行の先を行き過ぎていてそれだけでは厳しかったとのこと。
しばらくしてUCCのオフィスコーヒーを取り扱う会社もフランチャイズで始めたそうです。

コーヒーマシンを企業に置いてもらいながらコーヒーを卸していたそうですが、現在はこだわり続けてきたクレープの味を守りながら駄菓子屋としても営業し、苫小牧の港まつりやスケート祭りなどに出店をしています。

日光に照らされる店内

店内の壁にはUCCのポスターが掛けられており、淹れてもらったコーヒーは香り豊かな味わいで美味しい。

珈琲屋さんだった名残がコーヒーの香りとともにふわっと運ばれて来る、そんな味わいのある雰囲気が楽しめる店内です。

壁にかけられたポスター
今は貴重な当時のポスター

北国の駄菓子ラインナップ

ここは北海道でも雪の少ない太平洋側に位置しており、海の幸も豊富です。

苫小牧のご当地キャラクターにもなっているホッキ貝は水揚げ量日本一で、そのためか駄菓子のラインナップは海鮮ものもあり、本州ではあまり見ることのない商品も並んでいます。

ケースに入った駄菓子
人気の海鮮もの
プラスチックケースに入った駄菓子
イラストが描かれた駄菓子のパッケージ
ジャケ買いをしたくなるネーミング
カラフルなゼリー菓子
ここでの人気はゼリー
三角形のお菓子のパッケージ
昔の学校給食はこんなテトラパックの牛乳でした
カラフルな駄菓子の袋
およそ40年もの間愛されているロングセラー
ケースに収納された細長い駄菓子
秘かな人気なのか在庫少なめ「ゴーゴーガム」
陳列された玩具
雑貨・おもちゃ類も取り扱っています
棚に収納された数々の駄菓子
店内が広いため品数も豊富で「どれにしようかな」と迷ってしまう
黄色いパッケージの駄菓子
ブタメンにもあります「カレー味」

ブタメンにカレー味があると知り、カレー好きとしては見過ごせない。

クレープの前菜としていただきます。(アラフォーの胃袋を痛めつけ中)

こちらではありがたいことにお湯も用意してくれています。

寒すぎる苫小牧の冬にはもってこいの即席ラーメンシリーズ。

縦に積まれた駄菓子
その日の気分でブタメンの味をチョイス
ケースに入れられた駄菓子
広い店内だからこそ種類が豊富

“やきそば屋太郎”と“ラーメン屋さん太郎”は「はじめまして」でした。

これだけ取材していてもまだまだ知らない世界があります。

そのまま食べてもお湯を入れても期待を裏切らない味シリーズ。人気のガリボリももちろん置いてあります。

こだわりの生地、駄菓子屋が出すクレープ

クレープを作る女性
慣れた手付きでぱぱっと焼いてくれます

まず注文したのはロースハムツナ。36年間作り続けてきただけあり、手際もよく見た目にも美しいクレープです。

ハムとツナを一緒に入れるのは贅沢の極み、そして一見ありがちなチーズは入れないという逆の新しさに期待が高まります。

クレープを焼く機械
これでクレープを焼きます(ガス式)

本場フランスのクレープを真似て作ったという生地は最近のよくあるフワフワとした柔らかな生地ではなく、カリッと硬い歯ごたえがありました。

隠し味にはからしマヨネーズが入っており、他では食べたことのないオリエント企画オリジナルの味です。

生地も中身も美味しく、あっさりと食べやすいくせになる食感でした。

クレープを手渡す
スイーツ男子は、チョコバナナフレークを注文
広げられたクレープの生地
よく見ると中にコーンフレークが入っています

2つ目に注文したのはチョコバナナフレーク。

クレープとコーンフレーク、ありそうでない組み合わせが斬新で、サクサクとした食感とチョコとバナナの柔らかな食感が溶け合います。
そこにしっかりとしたクレープの味が入ってくる、甘すぎないさっぱりとした味です。

クレープはフランスの北西部、ブルターニュ地方が発祥で、カフェの数より多いとされるクレープ料理店ではスイーツやおかずとして食されています。

そば粉の入っているものをガレット、小麦粉で作られたものをクレープと言われているようです。

オリエント企画のクレープはとにかく生地にこだわって作っているそうで、生地を楽しむクレープとしてぜひ食感を味わってみてはいかがでしょうか。

メニューが書かれたホワイトボード
メニューが豊富でサンドイッチやワッフルもあります

オリエント企画・苫小牧のお祭りにも出店します

苫小牧のお祭りにもクレープ屋として出店しているそうです。

苫小牧一のお祭り「港まつり」ではたくさんのお店があって迷ってしまうほど。

でも次回からは迷わずここ一択、帰省の楽しみがまた一つ増えました。

写真が貼られた掲示板
苫小牧の夏のビッグイベント「港まつり」
祭りの案内が書かれているポスター
苫小牧の冬のイベント「スケートまつり」の名物しばれ焼き

しばれ焼きとは
ドラム缶を焼き台に加工した上でジンギスカンを焼こうと発案されたのが始まりで、スケートまつりのイベントの一つとなったそう。

「しばれる」とは北海道弁で「寒い」という方言で、マイナスにもなる寒さの中で焼いて食べることから付けられました。

厳寒の外でジンギスカンを食べる、そんな面白い体験ができるのもスケートの町、苫小牧ならではの醍醐味です。

しばれ焼きの思い出から一句

ゆきこロッシ
ゆきこロッシ

しばれると 食欲増すます 止まらない

寒さの中で食べるか、帰るか自問自答しながらつい食べてしまう。

うんうん、と頷く苫小牧市民の声が聞こえてきます。

みんな集まれ!募集中

選手を募集する野球チームのポスター
地元野球チーム「北光ファイターズ」

少年野球の募集が貼ってありました。

仲間と野球をする、きっと得るものは野球が上手くなる、だけではなくたくさんの経験が人生の財産になることでしょう。

ガラス面にはられる丸いステッカー
入ってすぐの真正面に。いつもありがとうございます。

昔フランスで食べたしっかりとした生地のクレープを思い出しました。

豊富なメニューから選んで楽しい、焼き目が美しい、そして食べて美味しい、この三重層のハーモニーを体験しに行ってみては。

聖地巡礼第8弾は駄菓子とクレープという一見想像がつかない組み合わせ、そこに店主のこだわりをスパイスとして入れた異国な香りが漂うお店でした。

最近中々海外旅行に行けていない方々、気分だけでも味わいに「Bon appètit(召し上がれ) !」
その瞬間、一気にフランスにトリップするはずです。

Bon voyage.

【基本情報】
オリエント企画
*住所:北海道 苫小牧市 花園町3丁目10-5
*連絡先:0144-75-1237
*営業時間:10:00〜18:30
*定休日:不定休(お祭り時に出店するため、その日はお休み)
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ゆきこ ロッシ

ゆきこ ロッシ

子供の頃のおやつは煮干しと果物。駄菓子屋はこっそり行って、ひっそりと楽しむものと思っていた憧れの聖地。 そんな駄菓子屋の魅力を、うまい棒をこよなく愛する息子と聖地巡礼(探訪)します。イタリア在住経験からイタリアネタを得意とし、カラーリストの資格を持つ。3度の飯と旅が好き。
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