大阪の松屋町駅に降り立ちました。
松屋町というと、人形で有名な街……というのは以前耳にしたことはあるのですが、実際に訪れてみると、確かにそこかしこに人形店の看板が見えます。
そんなどこか懐かしい街に駄菓子問屋「藤田商店」はありました。
大人買いもできる!駄菓子問屋とは?
藤田商店は、創業から70年ほど経つ老舗の駄菓子問屋です。
「駄菓子問屋」って?と少しピンとこない人もいるかもしれません。
駄菓子問屋とは、主に駄菓子屋さんへ駄菓子などを卸す問屋のこと。
藤田商店の場合は、駄菓子屋さんのほかにも米屋や旅館などにも卸しているそうです。
メディアなどでよく取り上げられる駄菓子屋バー「A-55」に駄菓子を卸しているのも藤田商店なんだとか。
ところで「問屋」というと、店などを経営していない人からすると少し敷居が高い気がしませんか?
ですがこの藤田商店、一般のお客さんもウェルカムなんです!
実際、取材中に買い物に来た親子連れのお客さんも見かけました。
藤田商店では、1箱数十個入りのいわゆるロット売りをしているのですが、それでも1箱500円台で購入できるものが多いんです。
圧巻!子ども心がよみがえる駄菓子の数々
まずは藤田商店の駄菓子を一部ご紹介!
入口近くにはお祭りの夜店に並ぶ「かたぬき」が。
最近、お祭りでもあまり見かけなくなったかたぬき。思わぬところで見かけて懐かしい気持ちがよみがえりました……!
魚型の棒付きキャンディ。あまり見かけたことのないタイプですね。
淡い色合いがうまく混ざり合ったきれいなキャンディです。
最近のガムは種類がたくさん
駄菓子屋さんでは定番のチューインガムがこんなに!チューインガムは駄菓子屋さんで一番安かったから手が出しやすかったなあ、なんて子どもの頃を思い出しました。
金貨型のチョコ!こんなにぎっしり詰まっているとまさに宝箱という風情があります。
こちらは「当てもの」と呼ばれるくじです。昔の情報のまま止まっていたんですが、今のくじってこんなに進んでいるんですね。
やはり最近の子どもからは、すみっコぐらしが人気が高いらしいですよ!
……と、藤田商店には紹介しきれないほどたくさんの駄菓子やおもちゃがあるんです。
紹介できなかった分の駄菓子はぜひ実際に見にいってみてくださいね。
戦後から続く大阪の駄菓子問屋・藤田商店には確かな活気があった
今回お話を聞いたのは藤田商店に嫁いで40年になるという安田さんです。ちなみに、藤田商店という店名は、ご主人のお母さんである藤田商店の1人娘が「藤田」姓であったからなんだとか。
元々は、おはぎやお饅頭などを作っていた家だったといいます。 駄菓子問屋としての藤田商店は、戦後の混沌とした時代から始まりました。
とにかく食が乏しく、何もなかった時代。「食べるものなら絶対に必要」という考えから、駄菓子の販売・卸をすると決めたそうです。
藤田商店の代表取締役である安田さんのご主人は、3代目。4代目となる息子さんたちと共にお店を切り盛りしています。
取材の最中も、店内ではお客さんとのやり取りや息子さんたちとの会話が飛び交う賑やかさ。
思わず「活気がすごいですね」と言うと安田さんは「大阪やからね」と笑顔を見せました。
「ええところも悪いところも」 藤田商店70年の重み
藤田商店はウェブサイトでの販売にも力を入れています。
ウェブサイトを始めたのは安田さんの
「きょうび、パソコンくらい使えなあかんで」という言葉がきっかけでした。
当初はネットやパソコンなどに不慣れで、完全なる手探り状態から始めたサイト運営ですが、今では 全国各地から注文が入るとか。
戦後から続く藤田商店。決して昔の時代のまま止まっているわけではありません。安田さんは「自分から行かな。待ってる時代やないやん」と語ります。
最後に安田さんに「藤田商店をしていてよかったことは?」と質問。
すると「ええところも悪いところもたくさんあるかなあ。一言では言われへん」と答えてくれました。
……なんと重みのある答え!藤田商店の70年の歴史が感じられる取材でした。
【藤田商店】
*住所: 〒542-0066 大阪府大阪市中央区瓦屋町1-7-17
*営業時間:9:00~18:00
*連絡先:06-6761-4966
*定休日:日曜日、祝日
*ホームページ:https://www.fujitashouten.co.jp//
創業70年はすごいわ。これからも元気に続けてほしい!
つちだ 四郎
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- 大阪松屋町の駄菓子問屋・藤田商店~活気にあふれた70年~ - 2019年5月11日