老舗茶屋が営む駄菓子屋・中村園〜名古屋市西区〜

駄菓子屋ストーリー

今回お邪魔したのは、名古屋市西区でお茶屋さんの看板を出している中村園さん。

なんと、京都宇治の老舗のお茶屋さんの家系だそうで!

そうとは知らず、お茶と駄菓子の組み合わせって珍しいな~くらいの気持ちで取材をお願いしてしまったのですが、お話を伺う中で由緒あるお茶屋さんだったと知ってビックリ。

テレビの取材などは断っておられるそうですが、今回は取材を受けてくださり、貴重なお話を聞かせていただくことができました。

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格式高いお茶屋さんとの両立

中村園の店主は、中村美枝子さん、84歳。

以前は名古屋市東区にお店を構えるお茶屋さんでしたが、西区内のこちらに移ってきたのが52年前。

近くにあるヤマザキパンの工場とのお付き合いからお菓子を少し扱うようになり、それから徐々に駄菓子も置き始めて今に至ります。

立派な茶器が並び、歴史がありそうだな~と写真を撮らせていただいていたところ、なんと、お舅さんが京都の格式高いお茶屋さんの3代目当主であることを伺いました。

さくらさん
さくら

予想をはるかに超える歴史にしばし言葉が見つからず…

伝統あるお茶屋さんとして自尊心のあるお姑さんには、駄菓子を置きはじめた当初は猛反対をされたそうです。

それでも、中村さんはご自分の信念を曲げることなくお茶と駄菓子の両立を続けてこられました。

駄菓子屋としての中村さんの想い、ご紹介します。

礼儀とご縁を大切に

これまで取材を受けてくださった駄菓子屋さんにお話を伺う中、ほとんどのお店でダントツの人気を誇っているのがクジ。

しかし、中村園さんにはクジは置いてません。

「クジは大嫌いなので置かないようにしてます。将来ギャンブルに走るような大人になってほしくないですからね」

と、毅然と話す中村さん。

最近はクジ付きの駄菓子も多いので、まったく置かないというわけにはいかないのですが、いわゆる番号をひいて景品をもらうタイプのクジは決して扱わないそうです。

テーブルに置かれた駄菓子
クジのない中村園での1番人気はポテトフライ。特にじゃが塩バター味。
店内に綺麗に並べられた駄菓子

店内は常に清潔に。

ゴミを見つければすぐに箒で掃いて、きれいな店内を保っています。

84歳とは思えないフットワークの軽さ!見習わねば…(汗)

それから!

カラフルなガムのパッケージ
棚に置かれた駄菓子

「A型だからこういうの乱れてると気になって直したくなっちゃうのよね」と、きれいに向きを揃えて並べなおしながら店内を見回ります。

かごに入ったチョコレート菓子
チョコケーキもきれいに並んで美しい!

また、挨拶は人として基本中の基本。

駄菓子屋さんといえば、

「○○ちょうだい!」
「ありがとね~」

といった親しみやすいやりとりも魅力ですが、同時に「駄菓子屋さんは社会勉強の場」ともよく言われます。

一言で挨拶といっても、お店の中での然るべき言葉使いというものもあります。

中村さんは、お店に来た子には必ず挨拶をさせ、
「ありがとう」ではなく「ありがとうございました」と丁寧に言い直させるなど、徹底されてきました。

厳しいと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、親しき仲にも礼儀あり。

学校とは違う場で大切なことを教えてくれる、これも駄菓子屋さんの魅力の一つですよね。

厳しくも温かい中村さんのお人柄ゆえに、地域の様々な人々がお店に足を運びます。

子育てに悩むお母さんや、不登校だけど中村園にだけは行けるという中学生などなど…いろんなエピソードを伺いました。

中でも、小学生の頃によく通ったという男の子が引越して離れてしまった後に大人なって、

名古屋にきたら一番最初に寄ろうと思ってた」と言って再びお店を訪れてくれたときには涙が出るほど嬉しかったと話してくださった中村さん。

ご自身の信念を貫いてお店を続けた結果、こういう形で実を結ぶのが一番嬉しいとおっしゃいます。

また、よくお店に来る子がクリスマスプレゼントにと店内で履けるスリッパをくれたことがあったそうで、毎日大切に履いていらっしゃいます。

スリッパを見せてくださったときの中村さんの微笑みがとっても印象的でした。

中村さんだから買いに来る

お茶と駄菓子の他にたばこも少し扱っているのですが、ここ数年でたばこを買う人は減る一方。

それでも置いているのは、わざわざ中村園で買うために来るというお客さんがいるから。

お店の前に車が停まるだけで、その人のたばこの銘柄がすぐ分かるのでカウンターに2箱準備して待っています。

覚えていてくれるって、お客さん側も嬉しいですよね。

これで喜んでもらえると、「やった!」って思うんだそうです。

記憶力もおもてなしも素敵だし、しっかり者の中村さんのちょっとお茶目な一面にもほっこり。

わたがしのパッケージ
こちらは独自に作っている袋詰め。

ご近所さんが親戚の子どもたちに配りたいと、毎年お盆休みに袋詰め菓子を頼んでくれたり、
隣の家の男の子が買い物しなくても元気な顔を見せるために通ってくれたり、

中村さんだから」とお店に来てくれる方がまだまだたくさんいらっしゃいます。

「シャッター下ろしてがっかりさせちゃいけないからね」
と、利益よりも触れ合いを大切に、今日もお店を開けます。

「色々あったけど、ここがあるから、今はおかげさまでとっても幸せです」と語ってくれた中村さん。

これまでの52年、「色々」のひと言では表せないご苦労もあったことでしょう。

それでもお店を続けてこられたからこそ、中村園が幸せな場所になったのですね。

いつまでも、どうぞお元気で。

お店の窓

お店の外に停められた自転車、中村さんが近所を移動するのに現役で使っていらっしゃるというから驚き。

お若い!!

でも…くれぐれも気をつけてくださいね!!

お話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。

【基本情報】
中村園
*住所:愛知県名古屋市西区宝地町74番地
*連絡先:052-501-7218
*営業時間:12:00〜18:30
*定休日:日曜日

多くの子どもたち、そして大人たちがここで大切なことを学んでいったのね。

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さくら

さくら

名古屋市在住、2人の男の子の母親です。 昔はピアノとテニスが趣味でしたが今はどちらも影をひそめ、次男の幼稚園入園とともに駄菓子ライターとして活動を始めました! 生クリームとチョコレートをこよなく愛する、かなりの甘党です。
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