昭和レトロな風情漂う下町に今も残る駄菓子屋「菓子問屋ワタナベ」〜大阪市・天王寺〜

駄菓子屋ストーリー

今回お邪魔したのは天王寺の駄菓子問屋「ワタナベ」さん。

しかし天王寺は今や日本一の高さ(2019年10月現在)を誇るあべのハルカスのお膝元。

駅周辺には外国人観光客も多く、地図アプリが示す駅から徒歩2分の距離に駄菓子屋さんなんてあるのかなとキョロキョロしていると、それっぽい入り口を発見しました。

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商店街の中はタイムスリップしたようなレトロな雰囲気

車が走行する車道
ポッカリ開いた阪和商店街の入り口

ビルとビルのあいだに見える商店街の入り口。

中に足を踏み入れると、横断歩道をひとつ渡っただけなのに駅前の雑踏が嘘のように静か。

お店が並ぶ狭い一本道

この日は朝から大雨のため天候も悪く、また居酒屋が多いせいかシャッターが閉まっている店舗もあり、そのせいでますます異空間のような雰囲気でした。

飲食店が並ぶ狭い道
しばらく歩くと看板を発見。吹雪の中で山小屋を見つけたような気分でした。

看板はひかえめだけど、流石菓子問屋だけあって品揃えは豊富!

ちょうど開店時の品出し作業の真っ最中でお忙しい時間帯ではありましたが、店主の渡辺さんが気さくにお話ししてくださいました。

段ボールの上に置かれた玩具
ただ雑多に陳列しているようでいて、なぜか映画のセットのような雰囲気。

お店は終戦直後からずっとこの場所で営んできたらしく、この界隈では老舗中の老舗とのこと。

全盛期は商店街の中だけでも40店舗は玩具や駄菓子を扱うお店があったのだとか。

新聞記事の切り抜き

お店にあった新聞の切り抜きによると2千種類の駄菓子があるとのこと。

確かに問屋さんらしい大きなパックが主力のようですが、いわゆる小売の駄菓子も豊富。

でも2千種類かといわれるとどうなんだろう・・・なんて疑っていると、ガラガラと隣のシャッターも開けてくれました。

天王寺に唯一残る不動の駄菓子問屋

小分けにされた駄菓子
壁にかけられた玩具
昔のながらのキャンディ
甲田さん
甲田

え、こっちもお店なんですか?

渡辺さん「せやで。このへんは松屋町筋からずっと続く問屋がぎょうさんあってな、これくらい置いててもそんなに驚くもんやなかった」

松屋町筋(まつやまちすじ)は菓子・人形・花火・おもちゃなどの問屋が軒を連ねるエリアです。

でもワタナベさんがある天王寺からは電車で3〜4駅はあるのだけど・・・。

今となっては、当時の賑わいを想像することもできません。

貝田さん
貝田

でも、ここではもう『ワタナベ』さんだけ

渡辺さん「店を畳んだ人もおるけど、もっと良い場所を探して移って行った人もおるよ。おんなじような店が並んでても、駅に近い方しか儲からんからね」

天王寺は市内で5本の指に入る大きな街です。

そこから徒歩2分の立地より良い場所なんてあったのかな・・・。

そう考えると、今もこれだけの商品を置いている駄菓子問屋はとても貴重ですよね。

きれいに並べられた豆菓子
豆菓子だけでこのバリエーション。昔はよく「豆を食べすぎると鼻血が出る」と言われたものです。
袋詰めされた甘納豆
甘納豆もいろいろあるんですね。

みんなで食べた思い出の味がする

渡辺さん「夏祭り、秋祭り、地蔵盆、町内会の旅行・運動会、ハロウィン、クリスマス・・・時期ごとに売れるものは変わるけど、商売が特別しんどいということはないよ。ただお菓子買うだけやったら今どきどこでも買えるけど、催しの時に買えるのが駄菓子屋の良いところやね。

おっしゃる通りですよね。

お祭りやイベントで、友だちとわいわいやりながら楽しめるのが駄菓子の良さです。

プラスチックのカラフルなおもちゃ
妹の顔めがけて吹いてたら大泣きして、オカンにどやされたなあ・・・。
袋に入った糸引き飴
サイダー味が欲しくて、紐を引いて赤やオレンジのが動いたらやり直しを懇願したこともありました。
茶色いお菓子

大阪名物「満月ポン」。

おとんのやつを摘んでたらいつの間にかなくなっててゲンコツやったなあ。

小売の駄菓子屋さんが減りつつある中で、久しぶりに懐かしい駄菓子を見ると無性に嬉しくなりました。

積み上げられたカラフルな箱
型抜きまでありました!今は縁日ですらなかなか見かけないですよね。

貴重な駄菓子問屋の将来

渡辺さんは2代目で、初代はお父さんが営んでおられたそうです。

自分の家が駄菓子屋さんなんて夢のようですね!、と言うと渡辺さんは意外にも

「友だちからは、ええなあ、てよう言われたけどね、でも、食べきれんほどあるというのもなかなかええもんやないよ。笑」

と苦笑い。そういうものかもしれませんね。

品出しでお忙しかったこともあり渡辺さんのお写真は控えさせてもらったのですが、大きな段ボールや店を大儀そうに並べる姿を眺めていると、この先のことを尋ねるのは野暮のような気がしました。

どうかいつまでもお元気で続けてくださいね!

基本情報
【菓子問屋ワタナベ】
*住所:大阪市天王寺区堀越町15-2
*営業時間:10:00〜19:00
*定休日:日・祝日
*連絡先:06-6771-5861

本当にまるで昭和にタイムスリップしたかのような場所!

それに2千種類の駄菓子!買えないものはないわね!

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貝田孝一

貝田孝一

小説執筆とライターの二足のわらじを履き潰す生粋のナニワっ子。 70~80年代のサブカルチャーと銭湯が三度の飯の次に好き。 チャリンコで近所を駆けずり回り、面白いネタを探すのに疲れて立ち飲み屋で一杯やってるときがいちばん幸せ。
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