こんにちは、さくらです。
今回お邪魔してきたのは、愛知県岩倉市にある駄菓子屋・マルヒデ商店さん。
実は、前回取材させていただいた「お菓子のデパートあさい」社長・浅井俊晴さんの幼馴染の方がやっていらっしゃるとのこと!
取材を通して、こんな素敵な繋がりを知ることができるとは嬉しい限り!
ということで、迷わずこちらへ伺わせていただきました。
川沿いにたたずむ、レトロな愛知の駄菓子屋さん
大通りから細い路地に入り、川沿いを進むと見えてきました、マルヒデ商店さん。
店内に入ると、子どものころに遊びに行った祖母の家を思い出すような、なんとも懐かしい雰囲気。
お店に立つのは、店長の金子由美子さんと、息子さんの大助さん。
由美子さんのご両親が始められたマルヒデ商店さんは、今年で創業54年にもなるそうです!
お会計に使うそろばんを発見したときには、さらに昭和レトロを感じられて思わず興奮。
昔ながらの駄菓子屋さんは減っていく一方だからこそ、このようなお店はとても貴重ですよね。
近所の子どもたちはもちろんのこと、昔ながらの駄菓子屋さんに子どもを連れて行きたいという親御さんが遠くから車で来店されることも多いと言います。
さらには!東京の某大学の学生さんが「駄菓子屋」をテーマにした卒論の研究のため、何度も何度もお店に通ってきたことがあったとお話ししてくれました。
その方は、ご結婚されるときに愛知の文化を取り入れたいと、お店に嫁入り菓子を注文されたそうで。
なんて感動的なお話!!
マルヒデ商店名物!オリジナル「お菓子くじ」に挑戦!
さて、売り場を覗いてみましょう!
なるべく国産の駄菓子を販売したい!というこだわりのラインナップ。
そんな中、どのお店で聞いても子どもたちに大人気なのが「クジつき菓子」。
もちろんこちらのお店にも並んでいるのですが、マルヒデ商店さんはオリジナルのお菓子クジを作っていて、名物になるほどの人気を誇ります。
30円でクジを引き、45番までが出れば「アタリ」46番以降は「ハズレ」
引いた番号のシールがついた駄菓子が受け取れます。
駄菓子のグレードに差はあるものの、ハズレでもちゃんともらえるのはうれしい。
こう見ると「ハズレBOX」の駄菓子も、全然ハズレじゃないですよね!
マルヒデ商店さん太っ腹です!
この菓子クジは、あくまで子どもたちへのサービスで行っているそうなのですが、今回は特別に私もチャレンジさせていただきました。
ハズレBOXの注意書きに「ムキにならず たのしくひいてね」と書いていたとおり…
欲しい駄菓子を当てるまで、このクジばかりに所持金を費やしてしまう子もいるそうです!
そのため、準備していた景品のお菓子は1日でほとんど無くなってしまうのだとか。
そこで<1日1人10回まで>というルールも設定されていました!
でも、何度でも挑戦したくなっちゃう気持ち、ちょっと分かるかも。。。
袋菓子の「ばら売り」やってます!
売り場を見ていると、ほかにも気になるものを発見。
え?ルマンドが単品で10円!?
ほかにも、チョコレートやラムネを一つ5円や6円で買うことができます。
袋菓子のばら売りって、なかなか無いですよね。
ばら売りだからこその激安価格設定も、お小遣いの限られた子どもに優しいし、大人にも嬉しい。
「メーカーさんにはあまり喜ばれないんだけどね。うちは自由に好きにやってるから。」と大助さん。
この、良い意味でのんびりとした、しがらみに捉われない感じが何とも素敵です。
ちなみに、先ほど紹介したお菓子くじの景品の中にも、ばらのハイチュウが入ってます!
くじを引かなくても1粒15円で販売してくれるそうですが、ばらにしちゃうと元のパッケージを見られないので味は食べてのお楽しみ。
う~ん、マルヒデ商店さん、面白い!!
「おなかがすいた子」「家出をした子」海よりも広い心で、どんな子も受け入れる
子どもたちとのエピソードを伺う中で、なんと言っても驚いたのが店主のお二人の底知れぬ懐の深さ!!
たとえば…
お買い物に来た子が「のど渇いた~!」と言えばお茶を出してあげる。
「おなかすいた~!」と言えば、ラーメンやたこ焼きを出してあげる。
そのために、日ごろから冷凍のたこ焼きを買っておいて常備しているそう。
「こんなことやってるから儲からないんだよね」
と苦笑する大助さんですが、それでも今日もまた、お腹をすかせた子どもたちをきっと笑顔にしていることでしょう。
その他、お店のお手伝いと称して、友達同士でお互いの買い物のお会計をさせてあげたり…
一輪車やキックボードの貸し出しもあったり…
レンタルまでできるって…もはや児童館!?
いや、児童館をとっくに越えて、親戚のお家のような居場所ができあがっています。
中には、親御さんと喧嘩して家出をしてきた子もいて、その日寝るための段ボールのテントを一緒に作ったことも!
もちろん本当にそこで寝かせることはなく、夕方寂しくなって、たった数軒先のお家へと戻っていく様子を見届けたそうです。
後から聞けば微笑ましいエピソードですが、なかなかそこまでできるものじゃないです!
子どもたちへの愛があってこそ。
「親に言えないような悩みだってあるだろうし、そういうのをここで話してくれたらいいよね」
と語る由美子さん。
商売を越えて、こうして子どもたちを見守っていくのがお店のやりがいになっているということが、ひしひしと伝わってきました。
「このてるてる坊主も近所のお子さんが作ったんですか?」
と聞いてみると、
「近所の中学生の修学旅行があるっていうから私が作ったの。」
と由美子さん。
優しい!優しすぎる!!
ここでは紹介しきれないほどたくさんのエピソードを伺いましたが、どのお話にも子どもたちへの愛が詰まっていて、いつまでも変わらないでいてほしいと心から感じました。
まだまだ色んなお話を聞いていたい!と思いましたが、名残惜しくもお店を後にしたところ…
お店の外に用意された水鉄砲を見つけて思わずニヤリ。
もうすぐ夏。
ここで水鉄砲を射ち合って楽しむ子どもたちと、それを温かい眼差しで見守る由美子さんと大助さんの姿を目に浮かべながら、なんともホッコリな気分で帰路に着いたのでした!
基本情報
【マルヒデ商店】
*住所:愛知県岩倉市神野町川添23-1
*営業時間:9:00~18:00
*定休日:日曜日
*連絡先:0587-37-2541
*ホームページ:https://maruhide.qt-space.com
子どもたちへの深い愛情を感じるわ。家以外の「子どもたちの居場所」って大切よね。
さくら
最新記事 by さくら (全て見る)
- 老舗茶屋が営む駄菓子屋・中村園〜名古屋市西区〜 - 2020年4月22日
- 駄菓子と鉄板で大盛況!夫婦で二人三脚の駄菓子屋たま~名古屋市北区~ - 2020年2月12日
- 地域密着!親子に愛される駄菓子屋「加古商店」~名古屋市南区~ - 2020年1月29日