復興後の町に残る貴重な駄菓子屋さん「たこやきフレンド」〜神戸市・新長田〜

駄菓子屋ストーリー

JR新長田駅前から広くてきれいな駅前と商店街を抜け、 潮の匂いに誘われるように20分。

下町の風情が残る海辺の住宅地の中に少し変わった佇まいのお店(?)を発見。

駄菓子屋さんのはずなんだけど。

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一見しただけでは駄菓子屋さんとは気付きません

白いベンチに置かれた木

看板も出ているし、オープンしているはずだけど・・・。

扉を開け遠慮がちに呼びかけてみると、ご夫婦で出てきてくれました!

「これな、そこの浜で拾ってきたやつ乾かしてるねん。これなんか富士山みたいやん」

不思議な形をした木々
たしかに! 少し手を加えればさらにそれっぽく見えそうです。

以前は、大阪の吹田市でお仕事をされていたご主人。

震災後戻ってきた地元で開いたここは、もともと水道屋さんだったんだとか。

「こっちで仕事して、あと、いろいろ作るんが好きやから、ここは工房やねん」

工房?

おそるおそる中をのぞいてみると・・・

壁にかけられた鬼のお面
壁に設置された様々なお面

ぎゃー!

「お金のかからん趣味。こうやっていろいろ作りながら、駄菓子とかたこ焼きもしたいなと思ってはじめてん」

すべてご主人の手作りだそうで、能面はもう20年のキャリアなんだとか。

でも、どれも素晴らしい腕前。

駄菓子屋の暖簾と一緒に水道屋の看板もあげてあるので、きっと手先が器用なんでしょうね。

テーブルに置かれた竹製の置物
こちらは竹を掘ってくつったもの。竹の質感で亀の甲羅がうまく表現されています。
牡蠣の殻でできた作品
牡蠣の殻をならべて花弁を表現。こうして誂えてあるとたしかにお花に見えますよね。

昔はどこにでもあったホットスナックが食べられる駄菓子屋

お店とご自宅の入り口が共通なもので、入ってすぐご主人の工芸品に目がいきましたが、もちろんたこ焼きも駄菓子もちゃんとあります。

明かりのついた店内の様子
所狭しと並べれた駄菓子
プラスチックケースに入った駄菓子
タラのコーナーなのかな?
お菓子と窓から見える景色
うまい棒のコーナー
小さなテーブルと椅子でできたイートインスペース
口の悪い子どもは「せまい」と文句を言うそうですが、駄菓子屋でイートインは素敵ですよ。

たこ焼きは大阪のたこ焼きと明石のたまご焼きのいいところを取り入れたお味で、評判も上々。

ここでいう「たまご焼き」は朝ごはんやお弁当に入っているアレではなく、明石名物のお出しで食べるたこ焼きのこと。

現在はソースのみだそうですが、生地にたっぷりお出汁が効いているそう。

「昔は駄菓子屋でたこ焼きって普通やったけどな、最近は近所の大人のお客がほとんど」

メニューが書かれた木の看板
苦笑する奥さんでしたが、価格にびっくり!

最近では、関西でも1個あたり50〜60円が相場のたこ焼きが7個150円は破格です!

筆者が子どもの頃は7個100円だった駄菓子屋のたこ焼き。

「大玉」とか「大タコ」の謳い文句を盾に高騰する価格が許せず、近頃はめっきり食べなくなりました。

この日はまだやっていませんでしたが、機会があれば「たこやきフレンド」また寄りたいです。
(お好みのモダンやスペシャルで350円もすごい。朝・昼・晩3食たべても1000円少しとは)

アスリートから文化人まで足を運ぶ知る人ぞ知る名店

壁に貼られた新聞記事

駅前でもなく、また商店街の中のお店でもないけれど、新聞やテレビの取材はぽつぽつとあるそう。

イートインの壁にあったサイン色紙が気になったので尋ねると、

「彼のおばあちゃんがね、このへんの人で昔は一緒にきてたよ。サインはドイツに渡る前に、知り合いを通じておばあちゃんに貰ってもらってん」

そういえば出身は兵庫県だったと聞いたことがあります。

こんなんもあるで、と奥さんが見せてくれたのは「福男」だけがもらえる襷。

「これは撮った人がな、持ってきてくれてん」

福男選びは、兵庫県の西宮神社にて開門と同時に本殿まで走り抜き、先着順に1番から3番まで、その年の福男を認定します。

そんな人まで来るんですね。

額縁に飾られた絵
こちらは中国人の芸術家が描いたもの。作品を普通に買うと何百万円はする巨匠だそう。

そういえば、商店街に三国志の仮装をするお祭りのポスターが出ていたのを思い出して尋ねると漫画「三国志」の作者、横山光輝はこのあたり生まれなのだとか。

なるほど、それで。

たしか鉄人28号のモニュメントも長田区でしたよね。

復興後の町で活気と情緒を守り続けてきた、たこ焼きと駄菓子

海とボート

今年は2年に1度の「下町芸術祭」が開かれるらしく、町全体がとても賑わっていました。

祭りの名前が書かれた旗

たこ焼きと駄菓子を食べながら、ご主人の作品と奥さんのトークをたのしめる「たこやきフレンド」。

学校帰りや夕飯前に楽しいひと時を過ごせる素敵なお店です。

店名が描かれた白い木の看板
基本情報
【たこやきフレンド】
*住所:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林町5-7-11
*営業時間:11:00〜18:00
*定休日:月曜日(変更になる場合あり)
*連絡先:078-621-4367

海の見える駄菓子屋さんって素敵ね!たこやきも食べてみたい!

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貝田孝一

貝田孝一

小説執筆とライターの二足のわらじを履き潰す生粋のナニワっ子。 70~80年代のサブカルチャーと銭湯が三度の飯の次に好き。 チャリンコで近所を駆けずり回り、面白いネタを探すのに疲れて立ち飲み屋で一杯やってるときがいちばん幸せ。
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