先日、おばと食事に行った時のこと。
ひょんなことから「ハッピーターン」の話になった。
今やスーパーのみならずどのコンビニを覗いても
平然と棚に鎮座する、かの大人気商品「ハッピーターン」である。
ハッピーターンおばさん
その日おばは、ハッピーターンを探していた。
しかし普段、そのような菓子をめったに買い求めないおば。
「ハッピーターン」がどのようなものか分からない。
そこで近くの菓子棚にいた少年にハッピーターンという菓子を知っているか尋ねたという。
突然現れたハッピーターンおばさんにも臆することなく、丁寧に対応してくれる少年。
近くから怪訝そうに見守る父親の視線を感じたおばは、遅ればせながらきちんと状況を説明した。
すると親切にもその父親も一緒に探してくれたという。
ハッピーターンを求めるものに悪人はいないと、そう思ってくれたのかもしれない。
さすがは万人に愛されるハッピーターンである。
無事にハッピーターンを手に入れたおば。
おばは続ける。
あの菓子は道ゆく少年やその父親までもが皆当たり前に知っている、
それほど有名な菓子なのか。
ある特定の人々にのみ好まれている菓子ではないのか。
知らないのは本当に私だけなのか…
私は答える。
「たぶん、日本人のほとんどが知っていて、かっぱえびせんと同じくらい歴史あるお菓子だよ。
ふつうに日本に生きていたら、どこかしらで出会うと思う。」
半ば冗談。半ば本気。
(ちなみに後で調べたら、かっぱえびせんが1955年でハッピーターンが1976年だったから、この例えはいささか大げさであった。)
シュンとするおば。
ハッピーターンに対するおばの試み
シュンとしたおばは、帰り道乗り込んだタクシーで勇敢にもある試みをする。
タクシーの運転手さん(推定70代前半)に声をかける。
「あのう、ちょっとお尋ねしますけれどね、あなたハッピータンってお菓子ご存知?」
まるで珍しい地産の土産物などを尋ねるような口ぶりである。
(「ハッピー“ターーーーーン”な。」)
と内心こまかなツッコミを入れつつも、静かに様子を見守る私。
しかし、沈黙の車内で開口一番
「ハッピーターンは知っているか?」と聞く客はそうおるまい。
正真正銘のハッピーターンおばさんである。
みんな大好きハッピーターン
無論、答えはイエスであった。
さすが、みんな大好きハッピーターンである。ふたたびシュンとするおば。
運転手さん曰く、ハッピーターンはその味とサイズ感、そして食べやすさから一頃飲み屋のツマ
ミとして大流行したというのだ。
甘じょっぱい絶妙な味付け、サクサクの歯ごたえ、
今や味のバリエーションも豊富で、なんと言っても細長い個包装で出しやすく食べやすい、
もてなす側ともてなされる側双方ともにハッピーという、まさに冠せられたその名の通りの働きっぷりをしているのだから脱帽である。
ハッピーターンの開発者たちの想いを胸にただ噛み締めるべし
しかし、知らないことは決して恥ずかしいことではない。
今知ることのできた幸運に感謝し、ただただ噛み締めればよい。
「サクっ」
なんだろう、湧き上がるハッピーを抑えきれないあまりひとつくるりとターンしたくなる、軽やかながら奥のある味わい。
手についた甘やかな粉末もまた愛おしい。
スタバやマクドナルドが上陸した際、当時の日本人は
「なんじゃコリャこんなうまいものがあるのかーーーーー」
と皆愕然としたらしいが、ハッピーターンも同様、人々の心をグワシと鷲掴みにして、今なお離さない。
HPを見てみると、開発者たちの思いが綴られている。(以下抜粋)
開発当時の日本は、第1次オイルショックの影響で不景気で暗い時代。
そこで、当時の開発者たちは「幸せ(ハッピー)がお客様に戻って(ターン)来る」ようにと願いを込めて『ハッピーターン』とネーミング。
なんてあたたかく素敵な由来。
そしてその後の大躍進…ああ!
ハッピーターンへ感謝を込めて
では最後にひとつ、
我らに多くの幸せを運んでくれるハッピーターンに敬意と感謝を込めて、僭越ながら、歌を贈ります。
聴いてください。
「どっちでもいいハッピーターン」
作詞:手塚みつ子
作曲:手塚みつ子
作画:手塚みつ子
歌い手:募集中
ハッピーターン♪
ハッピータン♪
「ターン」なのか「タン」なのか♪
いったいどっち?どっちなの?
でもでも舌がハッピーなら
ハッピータンでもいいかもね♪
タンがハッピー くるりとターン
あ〜〜あ〜〜私のハッピータン。
みんなのみんなのハッピーターーーン…♪
▼ハッピーターン公式HP
https://www.happyturn.com/
手塚 みつ子
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