「駄菓子」もしくは「駄菓子屋」を見たり聞いたり、行ったり食べたりすると多くの人が
「懐かしい」と口にする。
多分、学校帰りに友達と駄菓子屋さんへ駆け込み、なけなしのお小遣いで駄菓子を買い貪ったあの日の記憶が蘇るのだろう。
しかし、意外だとよく言われるが、全国駄菓子屋巡り編集長の僕にとって、駄菓子は懐かしいものではなく、最近知り合ったばかりで”今まさに関係を深めようとしている存在”だ。
僕は平成生まれで今年26歳になるが、幼少期は身近に駄菓子屋さんがなく、その後父の転勤に伴い4年ほど海外で暮らし、18で東京に戻ってから駄菓子と出会ったので、そこに「懐かしい」という感情は正直言ってあまりない。
でも僕自身駄菓子屋さんに足を運んだ時、他のお客さんが口々に「懐かしい」と言いながら笑顔を見せ、当メディア・全国駄菓子屋巡りを見てくださっている方々からも
「懐かしくて良いね」
という感想をいただくことが多いから、きっと「懐かしい」という感情には人々を少しだけ元気にさせる不思議な力があるのだと思う。
「懐かしい」の力をもっとよく知るべく、今回僕は駄菓子屋さんではなく、東京の日本橋近くで行われた「昭和レトロ市」なるイベントに足を運んできた。
東京タワー・新幹線/復興期~万博~ジュリアナ東京/高度成長期まで
デパートの屋上遊園地から見下ろすとあの街この街日が暮れて遠くにお豆腐屋さんのラッパの音
アドバルーンがあちこちに、東京タワーが夕日に染まる。
お宝逸品などないけれど優しくキッチュな和みのアイテムに魅せられて・・・・
上述の通り筆者は平成生まれの26歳。
展示・販売されているアイテムに直接触れ合った世代ではないのだが、各アイテムの歴史を感じさせる年季の入りっぷり、そこに集う人々の「懐かしい・・・」の連続を耳にしてると、
思わず「懐かしい・・・」と口にしてしまった。(完全に流されてる)
これはもう百読は一見に如かず
撮影許可をいただき写真を何枚か撮ってきたので、存分に懐かしいを視覚で味わっていただきたい。
昭和レトロ市が誘う”懐かしい”の世界へようこそ
全国駄菓子屋巡り、もっともっと”懐かしい”をお届けします
「過去に固執しないで前を向け」
「とにかく行動だ。日々挑戦しろ」
最近はそういうことをよく耳にする。
何かで大きな成果をあげたり、今の自分を変えたりしたいのであればそれは正しいのかもしれないけど、一方で時には立ち止まって、ゆっくり後ろを振り返るのも前を向くのと同じくらい大切ではないだろうか。
「懐かしい」は”ポジティブな後ろ向き”だと僕は思う。
全国駄菓子屋巡りはこれまで全国各地の駄菓子屋さんを取材し、その魅力を余すことなくお伝えすることで読者に”懐かしい”をお届けしてきたが、
今後は駄菓子に限らず、メンバー一同で色んな”懐かしい”を発信していきたいと思う。
でももちろん主役はこれまで通り駄菓子と駄菓子屋さん。
引き続き取材記事もたくさん更新しつつ、日常で見たり聞いたりした”懐かしい”もお届けしていくので、ちょっと疲れた時や昔に戻りたいと思った時なんかに気軽に立ち寄っていただけると嬉しい。
今野 隆吾
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