大阪府大阪市の駄菓子屋「駄菓子の扇屋」〜今と昔の子ども達がやってくる〜

取材記事
店名が書かれた赤い看板

お邪魔させてもらう前に、お昼をいただいたご飯屋さんのご主人が扇屋さんを知っていたことを伝えたら、

「このあたりの人たちは、みんな知ってるのよ」

と店主の山田さん。

テレビの取材も頻繁にあるそうで、店内にはタレントさんのサインがたくさんありました。

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夜はバー。大阪の駄菓子屋は昭和を懐かしむ大人のための空間

「駄菓子屋だけやったらそうでもないと思うけど、ウチは夜はバーもやってるから」

もともとはおもちゃ屋さんだったそうで値打ちのあるレアな商品は、現在もバースペースのショウウインドウの中で、お酒を飲みに来るお客さんの目を楽しませています。

屋号の「扇屋」はその頃からのもの。

名前を変えなかったのは、小さい時におもちゃを買いに来たお客さんが懐かしがってのぞいてくれたらという想いから。

おもちゃ屋が近くになかったため、このあたりの子どもたちは、皆ここにきてミニ四駆を買ったり、たまごっちを買ったりしていったそうです。

そういえば、ご飯屋さんもプラモをよく買ったと言っていました。

たくさんのワインが並べれた棚の上
権利の問題で撮影することはできませんでしたが、70~80年代前半あたりの生まれの人には生ツバもののフィギュアやプラモデルがズラリ・・・!
手描きのイラストが貼られた大きな冷蔵庫
ガリガリ君チューハイ美味しそうです

「長いことやってるから、おもちゃなり、駄菓子なりで、地元の子たちは一回は来てると思うよ」

そのため町を歩いていると挨拶されることも頻繁にあるそうで、でも・・・

「向こうは知ってるねんけど、こっちはわからんときもあるよ。大勢おるし、みんな大人になってもうてるからね。誰やったっけってね(笑)」

それだけたくさんの子どもたちが、この店のお世話になっているんですね。

昔駄菓子を買ってたお客さんがお子さんを連れてやってきたり、夜のバータイムに顔を出したりすることもあるとのこと。

ふらっと寄れる馴染みのお店っていいですよね。憧れます。

積み上げられた駄菓子
おもちゃ屋さんの名残はここにも・・・。

時代を超えて愛される定番の駄菓子たち

最近は駄菓子もひとつずつ包装されているものが多いのですが、こちらは猫瓶(包装されていないせんべいや酢イカなどが入っている瓶)に入っている駄菓子も現役。

プラスチック容器に入ったイカのお菓子

「昔はおばちゃんが取ってくれたりしたやん。中には湿気てたりするやつもあったりとかして。それでも誰も文句言わんかったもんね、友だちと「今日のん湿気てたな」って言うたりはしたけど」

わかります(笑)。あと、カレーせんべいなんかはビックリするぐらい味が薄かったり・・・。

とは言いつつ衛生面にもとても気を遣ってらっしゃるそうで、猫瓶の駄菓子はトングで取って、串物の酢イカなどはビニール袋に入れてくれます。

スーパーのお惣菜的な感じですね。山田さんの優しさを感じます。

藁のカゴに入ったお菓子
わかりやすく値段が書いてあるのも、子どもにとっては有り難いですよね。

小学生が社会見学にやってくる駄菓子屋さん

そうこうしているあいだに、近くの小学校の生徒さんたちが先生と一緒に社会科見学にやってきました。

地元の学校だけでなく、私立の学校の生徒さんがいらっしゃることもよくあるそうです。お客さんだけでなく、子どもさんの教育も担う駄菓子屋さんなんですね。

利発そうなお子さんがノートとペンを持って、取材を始めたので、ここからは僕も生徒さんの素直な疑問に耳を傾けました。

生徒さん「お店は何年やっていますか」

山田さん「おもちゃ屋さんの時からやと、60年くらいかな」

僕(ろ、60年!?

生徒さん「お菓子の種類は何種類ですか」

山田さん「450種類です」(即答)

僕(450!?

生徒さん「お客さんは何人ぐらい来ますか」

山田さん「遠足の日は100人・・・いや、もっとかな。普通の日は5~60人ぐらいかなあ」

僕(100人!!

「遠足のおやつって200円ぐらいでしょ。スーパーやと種類も少ないし、量も多くて高くなってしまうからね」

なるほど、そりゃそうですよね。生徒さんの先生にも少しお話をお伺いできたのですが、先生のお子さんもこちらで遠足のおやつを買っていくそうです。

それにしても、これだけ時代が変わっても遠足のおやつっていまだに200円なんですね。

プラスチックの箱に収納されたカラフルなお菓子
昔懐かしいお菓子が並んだ様子

思わず「ただいま」と言いたくなる佇まい

二年生の社会科見学でしたが、みんなしっかりしてたなあ。

自分があれぐらいの時はもっとアホでした・・・。今までたくさんの子どもたちを見てきた扇屋と山田さん。

これからも元気にお商売を続けていってほしいです。

山田さんのお母さんがお店をひらいて、現在はお母さん、山田さん、息子さんでお店を切り盛りしているとのこと。

お孫さん(息子さんのお子さん)もよく顔を出すそうで、四世代を優しく包み込む扇屋さん。

はじめて来た僕も思わず「ただいま」と言いたくなるあたたかい雰囲気のお店でした。

冷蔵庫に貼られた張り紙
語尾がカタカナです。お母さんのメモって雰囲気ですね。
青色を基調としたガチャガチャ
最近では見かけなくなった100円のガチャガチャです。
お店の前に立つエプロンをした女性
店主の山田さん。明るい笑顔と、ついつい聞き入ってしまう楽しいおしゃべり、有難うございました!

基本情報
【駄菓子の扇屋】
*住所:大阪府大阪市城東区関目3丁目8-2
*営業時間:11時~24時(18時~バータイム)
*定休日:火曜
*連絡先:06-6939-4940

世代を超えて愛されるお店ね。夜はバーなんて色んな楽しみ方ができるのも素敵!

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貝田孝一

貝田孝一

小説執筆とライターの二足のわらじを履き潰す生粋のナニワっ子。 70~80年代のサブカルチャーと銭湯が三度の飯の次に好き。 チャリンコで近所を駆けずり回り、面白いネタを探すのに疲れて立ち飲み屋で一杯やってるときがいちばん幸せ。