北海道・苫小牧市白老町の駄菓子屋「割石商店」〜大自然の中のオアシス〜

北海道

寒さが厳しい太平洋沿岸の町、北海道・白老町。

苫小牧市内から車で30分、総面積の79%を森林が占め、海・川・湖・山・森と自然の息吹きに触れることができ、自然の中に佇む人口2万人弱の小さな町。

耳をすませると波の音、川のせせらぎ、鳥の声が聞こえ、牛や馬が見えるのどかな景色。

「北海道」を思い出す時に想像しうる世界観がここには全てそろっている。

今回ご紹介する駄菓子屋「割石商店」は海からほど近い住宅街にありました。

地元の同級生から「良い駄菓子屋があるよ」と教えてもらい、滞在中に何度か訪れるほど「割石商店」のファンになりました。

「ただいま」とつい言ってしまいそうになる程、温かくて懐かしくてふっと気持ちが緩んでしまう。

そんな店主の優しさの温度が読み終わった皆さまの心にも伝わってほしい。
そんな想いで書いたお店も心も温かい「割石商店」の世界へようこそ。

(編集部注)本記事は2019年に行った取材の情報をもとに執筆されております。現在の情報とは異なる点がある可能性がございますことご了承ください。

店名が書かれた看板
住宅街に佇むれんが色が目印
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ご夫婦二人三脚で駄菓子屋を切り盛り

割石商店の歴史は古く、同じ白老町出身の夫婦である現店主さん。

今も夫婦でお店に立つ事もあるそうですが、もともとは割石さんのお義母様と2人で切り盛りしていました。

割石家に嫁いできたのが約50年前で、嫁いだその年には文具店としてお店をオープン。

昔は文具ばかりでしたが徐々に駄菓子が増えて今はほんの一角に文具が並んでいるだけですが、時々買いに来る子供達のために、今でも置いてあるあたりに割石さんの優しさを感じます。

役場で働いていた旦那様が引退してからは旦那様と2人でお店に立つ事もあり、この日も旦那様と一緒に昔の話をしてくれ、その姿は微笑ましく割石家の仲の良さを伺うことができます。

棚に置かれた駄菓子
今でも角に少しだけ文具が置かれている。
綺麗に並べられた様々な駄菓子
割石さんのお人柄が出ている店内。とにかく清潔、きれい、見やすい陳列。

北海道・白老町をご紹介

白老町をよく知らない方のために少しだけご紹介。
2020年7月、日本で初めてアイヌ文化の展示・研究に特化した施設で文化を継承、発展するために「ウポポイ」が創設。

広大な敷地で1日かけてゆっくりと過ごすことができます。

人気漫画「ゴールデンカムイ」のファンならば一度は訪れたい場所として遠方から訪れる方も多いそう。

競走馬の生産地としても有名で入賞経験のある名馬達が今はのどかなファームで暮らしており、見学もできるので、

「この馬があの時の・・・」

という感動に競馬ファンであれば包まれるはず。

2008年の洞爺湖サミットの日米首脳会談で世界の首脳達も舌つづみを打った「白老牛」、脂が乗ったお肉として北海道の方なら知っている方も多いのでは。

小さな町とあなどるなかれ、すぐに売り切れてしまうパン屋さんや揚げたての“ざんぎ”(北海道で言う鳥の唐揚げ)が食べられるお店など、小さな町に凝縮された観光も食も自然も満載の町、それが「白老町」です。

駄菓子屋「割石商店」の”おもてなし”

お盆に置かれたコーヒー
今まで飲んだコーヒーで一番美味しかった。

割石商店は白老町の役場と学校の近くに立地している住宅街の一角にあり、扉を開けたら笑顔の割石さんが挨拶してくれました。

子ども達も割石さんの笑顔の虜になるのでしょう。

大きくなって子どもを連れてくる常連さんもおり「あの時のあの子だよね」と。

そんな楽しい時間と空間が織りなす日常が割石商店にはあるのです。

“あの笑顔に会いに行きたくなる”、それが「割石商店」の魅力なのかもしれません。

話しているとコーヒーの香りが。

奥からご主人が煎れてくれたコーヒーを奥さまが渡してくれました。煎れてもらったコーヒーはいつもの何倍も美味しい。

「温かいな」と感じたのは温度ではなく優しさの温かさを感じたから。

おもてなしに感謝の気持ちでいっぱいの取材でした。

帰り際、割石さん一押しの駄菓子を「家族で食べて」と渡してくださり、息子には「こんなので遊んでみる?面白いよ」と自ら選んでくださった新品のおもちゃを開封し、遊び方を教えてくれいろいろと頂戴してしまいました。

このおもちゃ、実家に滞在中にどれほど遊んだことか。
あの時は本当にありがとうございました。改めて、この場を借りてお礼を申し上げます。

玩具を手に持つ女性
割石さんが教えてくださったおもちゃ。

「楽しいのよ」と実演しながら教えてくれたおもちゃ。

ビューンと遠くに飛ばす行程も飛んで拾いに行くのも楽しいから、息子はエンドレスで飛ばしまくり大笑い。

お札を模したお菓子
マヨネーズ入りというサービス付き

老眼が始まっている筆者には数えるのもしんどい「0」の数。
100000000…1億円と読めた瞬間に一気にセレブ感を感じる、子どもはみんな大好きお金シリーズ。

北海道には100万円の“焼きかま”のように珍味系駄菓子を置いてあるところが多く、海鮮好きとしてはついつい食べてしまうお年頃のアラフォーです。

お札をも模しキャラクターが描かれたお菓子
こちらは100万円

「たった100万円なの?」
と1億円の後に見ると強気になれるマジック。

焼かまはスーパーで普通に買うとそれなりの高級品なのに、駄菓子で発見した時の喜び。
このお得感を探すのが地味に楽しい。

箱に入れられた小さな駄菓子
かわいらしいチョコッとチョコシリーズ

私も子どもの頃に食べたチョコレート。

今では甘さのパンチ力にやや弱気な大人になってしまいましたが、子どもはこの可愛らしいキャラクター選びもウキウキしてしまう。

見ているだけで顔がほころんでしまう癒し系チョコレート。

値段が書かれた低価格の駄菓子
“選んだことを後悔させないよ”とパッケージに書いて欲しい。

わらびもちは割石さんのおすすめの一つ。期待を裏切らない味なのに50円ですかと、こういう商品に出会うとお得感を感じてしまう、大人にもホッとする味。

値段が書かれ箱に入った駄菓子
人気のポテトフライシリーズ、こちらではよく出るそう。
カラフルで細長いお菓子
割石商店の人気商品「サワーペーパー」。
箱に綺麗に並べられた数々の駄菓子
北海道の人に好まれる海鮮干物系。

北海道の人に好まれる干物系、個人的にも手に取らずにはいられない。
“秒でなくなる旨さ”とパッケージに書いてほしい、あっという間になくなる美味しさ。

三段の棚に置かれた数々の駄菓子
美しく陳列されたグミ、ラムネ、チョコの一口シリーズ。
既存の商品のオマージュ駄菓子
このシリーズのネーミングがたまらなく好き。箱ごと買いたい。

「眠眠打破」ならぬ「独身打破」、「キャベジンコーワ」じゃなくて「ベツジンコーワ」。箱ごとくださいと言いかけた、ツボにはまったキャッチコピー。

これを選ぶ割石さんのセンスが好きです。

メディアの名前が書かれたステッカー
入口の目立つところに。いつもありがとうがざいます。

「休みの日に白老までちょっと足をのばしてみようか」
遠い住まいの方は「いつか行ってみたい」の候補地に。
少しでも白老に行きたくなってくれたらうれしいです。

温泉に浸かって「割石商店」で駄菓子を買って海岸沿いでも歩いてみては。
きっと帰り道は張り詰めていたことや悩みが少しだけ軽くなっているかもしれません。

聖地巡礼第10弾「割石商店」は白老の“パワースポット”でした。行ったら笑顔が待っていて、ついこちらも笑顔になってしまう、そんな割石さんにまた会いに行きたいです。犬好きの割石さんからは犬の話もいろいろと教えていただきました。筆者の愛犬の心配や動物病院まで紹介していただきありがとうございました。

右を見ても左を見ても自然がたくさんの中にある小さな町の「楽しい」を探しに行ってみては。きっと、あなただけの「楽しい」が見つかるはずです。

【基本情報】
割石商店
●住所:北海道 白老町 緑丘2丁目12-18
●営業時間:11:00〜18:30(夏は〜19:00)
●定休日:不定休
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ゆきこ ロッシ

ゆきこ ロッシ

子供の頃のおやつは煮干しと果物。駄菓子屋はこっそり行って、ひっそりと楽しむものと思っていた憧れの聖地。 そんな駄菓子屋の魅力を、うまい棒をこよなく愛する息子と聖地巡礼(探訪)します。イタリア在住経験からイタリアネタを得意とし、カラーリストの資格を持つ。3度の飯と旅が好き。
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