愛知県刈谷市野田町に、駄菓子屋さんがあります。
45年以上の歴史があるこの駄菓子屋「いもや」さんは、新聞や地元の教科書に載っている刈谷市では有名なお店で、近隣の小学生をはじめ、街の人に親しまれているそうです。
今回はそんな「いもや」さんをご紹介します。
どうして「いもや」さんなのか
店名の「いもや」とはどういう意味なのか。
店主の高橋修さんとみき子さんにお話を聞いたところ、もともとは「高橋商店」という名前でお店を始められたそうなのですが、もともと焼き芋を売っていたことから地元で「いも屋」と呼ばれるようになり、その名前が定着したのだそうです。
瀬戸焼の壺に練炭を入れて火をつけ、そこにサツマイモを吊るして焼き芋を作っていたそうで、この製法でできた焼き芋は、冷めてもパサパサにならず美味しいのだとか。
残念ながら現在焼き芋は作っていませんが、「いもや」という名前で親しまれている様子からその面影が感じられます。
お店の方が語る 駄菓子屋のやりがい
コンビニやスーパーの普及もあってか、最近は駄菓子屋の数が減ってきており、刈谷市でも数えるほどになってしまったそうです。
その中で、駄菓子屋を続けていく良さとは何なのでしょうか。
店主の高橋修さんは、
「それは子ども達に会えるから。お店に来てくれる子ども達と触れ合って、むしろパワーを貰っている。」
と答えてくれました。
問屋への駄菓子の調達は大変で、駄菓子を売ることで大きな利益が出るわけではないけれど、遠足のおやつを買いに来たり、町たんけんの授業で小学生が取材に来てくれたりするのが、とても嬉しいのだそうです。
駄菓子屋で得られる”駄菓子以外の大切なもの”
地元の小学生に加え、碧南市や豊明市などの近隣の町や、遠い所だと名古屋市の栄から来てくれる方もいるそう。
その中には、小さい頃「いもや」さんに来ていて、大人になって子どもと一緒に来た方もよくいるそうです。
その中には、「小さい頃ここで叱ってもらったから、今がある」と言ってくれた方もいたのだとか。
子どもの頃、親からもらった何十円かのお小遣いを握りしめ、「今日は何を買おうかな・・・」と心を弾ませながら駄菓子屋へ通った方もいるのではないでしょうか。
欲しい駄菓子の値段をお店のおじさんおばさんに尋ね、買えるものを自分で計算した思い出のある方も多いはず。
子どもにとって駄菓子屋とは、初めて自分で買い物をする、大人の世界への入口と言えるでしょう。
だからこそ高橋さんは、「成長のために良いことも悪いことも知ってほしい」と、悪いことをした子どもを叱る時があるのだそうです。
叱られた時は悲しいですが、そこで得た学びは大人になっても色あせないものになるはず。
駄菓子屋さんで得られるのは駄菓子だけでなく、大人になるための大切な学びでもあるのです。
「いもや」さんでこんな駄菓子を買いました
今回買った駄菓子をご紹介します。どれを買おうか、とても迷いました。
・ねりあめ ・プチプリン ・コーラキャンディ ・ヤッターめん ・もちっとプリン
・さじ付きマンボ ・いちごむぎ ・花串カステラ ・じゃがりこ(じゃがバター味) ・ペペロンチーノ
・フラッシュライジングヨーヨー
これだけたくさん買って、なんと630円。
すごく安いです!
チュッパチャップスの缶は、高橋さんのご厚意で頂きました。
「子ども達に駄菓子を楽しんでもらうため、少しでも安くしている」と、みき子さんは言っていました。
こういう所からも、高橋さんご夫妻の子ども達への優しさが感じられます。
駄菓子が食べたい学生さん方も、小さい頃の思い出を振り返りたい大人の皆さんも、この駄菓子屋「いもや」さんに来て、幸せなひとときと美味しい駄菓子を味わってみてはいかがでしょうか。
いもや |
駄菓子屋でしか得られないものと、駄菓子屋さん側も駄菓子屋さんを経営しているからこそ得られるものがあるわよね!
かみやえいじ
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