京浜急行「新馬場駅」を出るとすぐに品川神社へと延びる参道、北馬場参道通り商店街があります。
古くから店を構える和菓子屋さんや美味しい焼き鳥屋さんなど地元で人気のグルメ店が軒を連ね、その中に佇む「たいし堂」は今も昔も変わらず地元の人、観光客から愛され続けています。
神聖な通りにあり、テレビにも紹介されたことのある、地域密着駄菓子屋のご紹介です。
大きな商店街のため辿りつけず迷っていた時、小学生の団体が駄菓子の袋をぶら下げ前から歩いてきました。
彼らに道案内をしてもらい行けた「たいし堂」。
入ると奥からは「いらっしゃいませ」と温かい声が聞こえて来ました。
清く澄んだ場所、品川神社
北馬場参道通り商店街の通りを少し歩くと見えてくる品川神社の杜の緑。
53段の階段を上がると見えてくる神聖な場所です。
品川神社は徳川家康が戦勝祈願をした場所とされており、現在は出生にご利益のある神社として知られ、その神社を守るように参道が繋がっています。
参道には石畳みが敷かれ、電線も地下に埋められすっきりと美しい商店街となっています。
ここ「たいし堂」は参拝する人々や生活に密着したお店として人々に愛され続けてきました。
昭和40年創業、先代のご主人から現在は奥さまへとお店が引き継がれています。
顔なじみのお客さんからは「元気なの」と声をかける人もいて、ずっと昔から地域の方たちから愛されてきたことが垣間見れます。
珍しい駄菓子の宝庫
駄菓子屋ライターをしていると、数多の駄菓子を見ること、食べることになり大抵は知っていますよと言いたいところですが、まだまだ知らないのが現実です。
皆さまは一体どれほどの駄菓子が世の中にあるかご存知ですか。
岡山県にある駄菓子屋「日本一のだがし売り場」では3千種類以上あると言われており、過去や現在で世に出回った駄菓子を考えてみると、気の遠くなるような数の駄菓子があるのだということがわかります。
駄菓子の奥深い世界。
一体どれほどの種類の駄菓子が存在しているのだろうかと夢が膨らみます。
人によっては「懐かしい」から「こんなのあるの」と多種多様な感情が湧き出るであろう駄菓子を写真とともに一気にご紹介します。
もしかしたら駄菓子をよく知る方にも「こんなのがあったのか」と思える新しい出会いがあるかもしれません。
見つけた瞬間、なぜか安心感に包まれる「花丸せんべい」
カラフルなチョコをプチプチとする快感、食べて美味しい遊んで楽しいハイエイトチョコ。
クリスマス気分が一気に盛り上がる「メリークリスマス」
「今日もメロン味飲むっちょ?」
「もちろん、飲むっちょ、飲むっちょ。」
そんな方言のような会話も楽しめる「のむっちょゼリー」
酸っぱい派には「梅ジャム」、そしてソース派には「ソースせんべい」、大阪にある“たこせん”を思い出す優しい味。
「久しぶり」と声をかけたくなるほど懐かしの駄菓子「チーズあられ」
餅飴は餅を蒸し上げ作られています。
1979年生まれ、「さくらんぼ餅」と「青りんご餅」。
現在は色々な味が楽しめる「フルーツの森」で懐かしさと新鮮さの両方が味わえます。
いつの時代も人気者「リングキャンディ」。
食べた後に洗って大切にした「指輪」は食べて楽しい、終わって楽しい駄菓子。
食べ方:割りばしの先に水飴を絡め、こねながら食べる飴。
練り方次第で硬さも変わるお楽しみ付き。
駄菓子は年代により流行もあり、知ってるふりをするべきか、知らないふりをするべきかと思うことがあります。
そんな思いを一句に。
駄菓子屋で 知る知らないで ばれる歳
プチガムは、1970年発売の小さいプチサイズのチューイングガムでオレンジ、グレープ、レモンと当時は3種類。
ガムが小さく、ボタンを押すと一気にこぼれ落ちるように出てくる斬新なアイディアに子供の頃はワクワクしました。
都こんぶの名前の由来をご存知ですか。
都こんぶの生みの親【中野正一】の生まれ故郷である、 京都への歴史的背景、風情に対する郷愁によるものだそうで、 いつまでも「きらびやかな」イメージを残している「京の都」への憧れと郷愁の想いから「都」の名にあやかりたく願い『都こんぶ』と名付けたそうです。
(中野物産株式会社ホームページより抜粋)
チョコベビーは1965年生まれのロングセラー商品。
ワンタッチオープンで口に入れた瞬間に幸せに包まれる優しい甘さのチョコレート。
遠足にも定番のいつの時代も人気の商品。
駄菓子だけじゃない、お土産にも便利なもの
ここでは新宿中村屋のおせんべいも取り扱っているので、突然の来客やお土産にも便利ということで買われていくお客さんも多いとか。
買いたいのに近くに探すとないことがよくあるのでこれは便利、有り難いです。
その他、日用品も取り扱っているので地元の人には近くにあって有り難いお店として長く愛され続けて来たのだと思います。
実は「こんにちは」と伺った日、先代が亡くなったばかりだと取材を通して知りました。
(取材は2019年12月)
まだお線香の香りが漂っている大変な時に取材を受けてくださったこと、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
大変な時にお店を開けてくれている、いろいろな事情があってもお客様のために頑張ってくださるその気持ちに客の立場として「ありがとうございます」の思いでいっぱいになりました。
お客さまは神さまではありません。
私たちのために頑張っているお店があるからこそ、私たちは日々買うことができる、そんなことを思いながらドアを閉めた聖地巡礼第6弾。
懐かしさへタイムトリップをしに、宝探しに出かけてみてはいかがでしょう。
神聖な空気と品川神社の神さまが心と身体をリフレッシュしてくれるはずです。
食べ歩き、というお楽しみもついて楽しい休日となりますように。
【基本情報】 たいし堂 *住所:東京都品川区北品川2-11-10 *連絡先:03-3471-2588 *営業時間:10時〜18時 |
本当に駄菓子がたくさん!この街にとってとても大切な存在なのね。
ゆきこ ロッシ
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