平成から令和へと元号が変わっても、人々が抱く古き良きレトロな時代のイメージは変わっていないのではないでしょうか。
駄菓子屋さんが身近にあり、子どもは外で遊んでいて、日本全体にゆっくりとした時間が流れている、そんなイメージがありませんか?
レトロなものへの憧れや愛着は、時代が変わっても日本人の心の中にしっかりと焼きついています。
懐かしい、あの頃はよかった。
そんな想いは、誰でも一度は思ったことがあるはず。
この記事では、そもそも「レトロ」とはどういうものか。
そして、レトロな気分を味わうにはどうすればよいのか。
そんな疑問を解決できる方法を紹介します。
最後まで読んでいただければ、明日からでもレトロな気分を楽しめるようになります。
レトロとは何か
そもそもレトロとは、どういう意味でしょうか。
フリー百科事典のウィキペディアでは、次のように定義されています。
レトロ(retro)は、retrospective(回顧)の略語。懐古趣味(かいこしゅみ)のこと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%AD
「懐古」とは文字通り、昔をなつかしむ気持ちのことです。
ただ、昔を懐かしむといっても、私たちが10年ほど前を思い出したところで、レトロな気持ちにはなりません。
今より少し若かった自分を思い出しこそすれ、レトロに代表される「セピア色の記憶」はありませんよね。
かといって江戸時代のことを思ってみても、壮大な歴史ロマンを感じこそすれ、懐かしむことはできません。
自分が生まれていないから当たり前といえば、当たり前です。
しかし、それだけでは今のレトロブームを説明することはできません。
昨今のレトロブームは、カセットテープ・使い捨てカメラ・復刻版のパッケージなど、30~40年ほど前のものが流行しているのが特徴。
30~60代の大人が、当時を懐かしむ気持ちはわかりますが、今のレトロブームは10代~20代にも飛び火しています。
むしろ使い捨てカメラなどを、SNSを通じて積極的に利用している彼らはブームの中心といっても過言でありません。
なぜ、当時は生まれていなかったか彼らが、レトロなものを「懐かしい」と思って、積極的に使っていくのでしょうか。
10代~20代がレトロに持つ個性と憧れ
若い世代にレトロが流行る理由は二つ、考えられます。
個性と憧れ。
この二つの気持ちが混ざり合って、レトロなものに魅力を感じているのではないでしょうか。
レトロが持つ「個性」
まず、個性について解説します。
10代~20代の若い世代は、カセットテープや使い捨てカメラなどが主に使われていた時代に生まれていません。
そんな彼らにとって、アナログなこれらの道具は目新しく感じるのかもしれません。
そして、アナログなものは今の道具に比べ、何をするにも手間がかかります。
例えばカセットテープ。
一度録音したものの上から、再度録音しない様に頭の部分にある爪を折ることを知っている10代の人は何人いるでしょうか?
ちなみに、再び録音したくなったら、そこにセロテープを貼って録音します。
今なら、PCで音楽ファイルの設定にロックをかけておけば、そんな手間は必要ありません。
さらに、手間をかけて録音したり録画したり撮影したものは、現代のスマホで撮影したものより、はるかに劣ります。
しかし、なんでも綺麗に残せる現代だからこそ「劣っている」ことも個性になり、価値になります。
製品が高度に均一化した現代だからこそ、劣っていたとしても尖った個性が価値を持つのです。
”劣る”が価値として注目される時代ですね
レトロへの「憧れ」
インターネットの登場で、直接的な人間関係が希薄になり、時間やあらゆる物事が高速で移り変わりゆく現代と比較し、ゆったりとした時間が流れていた時代への憧れが、レトロな物への憧れに繋がっています。
「レトロ」に代表される時代が、映画などでも昭和中期が多いのは、そういった憧れからなのかもしれません。
ただし、この昭和中期は学校の授業で習う正しい昭和ではなく、憧れのエッセンスを抽出した、ファンタジーです。
憧れのエッセンスを抽出したレトロ像だからこそ、生まれてくる前の時代なのに「懐かしい」と感じられます。
これら2点の理由により若い世代が盛り上がり、それにともない30代~50代の実際にその時代を経験した世代にもレトロブームが広がっているのです。
レトロな気分を簡単に、味わえるアイテムや体験
では、気軽に味わるレトロブームの体験にはどんなものがあるのでしょうか?
特定のレトロを再現した施設以外で、いくつか気軽に体験できるものをご紹介します。
喫茶店でのレトロ体験
比較的、気軽にレトロを体験できるのは喫茶店です。
どんな街にも昔から営業している喫茶店がありますよね?
できればカフェではなく、喫茶店がオススメ。
モーニングメニューがあり、昔からの看板が外に出ており、隅の席にインベーダーゲームや麻雀などのゲームがある。
そんな喫茶店があれば、最高。
そのお店は、入るだけでレトロな時代へ気軽に戻れるタイムマシンです。
ゲストハウスでのレトロ体験
都会に住んでいるのであれば、個人的にオススメしたいのが、地方都市への旅行です。
再開発などで昔の風景から変わっている街もありますが、変わらないまま、令和の時代を迎えた街もあります。
また、昔の建物をリノベーションし、ゲストハウスなどに再利用している例もあります。
そういった街に旅行で訪れ、リノベーションした物件に宿泊することも、立派なレトロ体験です。
例えば、長野県の下諏訪には、昔からある旅館を改装して、今も宿泊できる「マスヤゲストハウス」があります。
下諏訪の街にマッチした温かみのある外観は、訪れる度に「ああ、帰ってきたなぁ」という感覚になります。
内部も当時の旅館の物が生かされており、居心地のよい空間です。
夏でも扇風機と自然の風で十分涼しく、縁側にゴザを敷いて、セミの声を聴きながら昼寝をする、という大人にとってはファンタジーのような経験ができます。
マスヤゲストハウスの様に、古い物件をリノベーションした宿泊施設は全国各地にあります。
古民家を改装したり、小学校をまるごとゲストハウスとして活用していたり。
ローカルな街の空気を満喫しつつ、レトロで温かみのあるゲストハウスに気の合う仲間と泊まってみれば、子どものころの様に楽しい時間が過ごせるはずです。
駄菓子屋さんでレトロな気分を五感で味わおう
そして、もって手軽で身近に「レトロ」を体験できるのは駄菓子です。
駄菓子は子どもの頃、誰もが一度は食べた定番のおやつ。
駄菓子には食べて美味しかった思い出以上に、様々な想いが詰まっています。
学校が終わって、友達の家に集合して食べたこと。
100円の予算を、どのように割り振るか算数の勉強より悩んだこと。
アタリ券が出て、最高に、最高に嬉しかったこと。
今でも現役で営業している駄菓子屋さんに行けば、レトロな気分に満たされるはず。
それは駄菓子の味だけではなく、見た目や匂いによって、子どもの頃の楽しかった記憶が五感で思い出されるから、なのかもしれません。
一度、駄菓子屋さんに行けば、昔食べたあの味が今もそのまま売られていたり、逆に販売中止になっていたり。
時代の流れを感じると共に、狭い世界の中でも恵まれていた子供の頃を思い出すに違いありません。
駄菓子屋さん自体の数は残念ながら減少していますが、それでも元気に営業しているお店はあります。
Googleなどでは検索しきれないお店が、今もひっそり営業しているかもしれません。
そんなお店を見つけて、気軽に味わえるレトロな体験を味わってください。
その場合、勢いにのって500円分くらい買ってしまってはいけません。
決められた予算の中でやりくりをするところから「駄菓子」というエンターテイメントは始まっています。
ぜひ、予算はしっかり100円で、買い物を楽しんでください。
たまには自分に”レトロ”を
そもそもレトロとは、どんなものなのか?
なぜ10代~20代の若い世代も「懐かしさ」を感じるのか?
そんな疑問を、この記事では解決してきました。
また、誰でもできる気軽なレトロ体験として、喫茶店や地方のゲストハウス巡り、駄菓子屋さんでの買い物なども、紹介しました。
変化していくスピードの速い現代だからこそ、昔懐かしいレトロな思い出や体験をすることが安らぎになるのではないでしょうか?
ぜひ次の休みに、気軽なレトロ体験をして、一休みしてみませんか?
箱根ヶ崎
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