「過去を振り返る」ことの意味

懐かしい風鈴 レトロコラム

過去を振り返る」時間を大切にしていますか。

ふと「過去に戻りたい」と思いつつ、自分の過去を振り返えったり、新しいことを始めるために過去を棚卸したり。

人は人生のうちに何度も過去を振り返り、前に進んでいます。

人はなぜ過去を振り返るのでしょうか。

そのメリットとデメリット、そして簡単に過去を振り返えられる方法を探ります。

スポンサーリンク

過去を振り返るメリット:人の気持ちに気づき初心に戻れる

ハートを手渡す様子

過去を振り返る作業は、アルコール依存症や不登校、心身症、神経症などの改善のためにも利用され、成果があると報告されています。

内観療法と呼ばれる療法では、日常的な刺激が遮断された室内の「屏風の中」で過去を振り返ります。時間は週1回、15時間にものぼるそうです。

こちらはあくまでも療法の一環であるため、親や兄弟などの身近な人間に「してもらったこと」「して返したこと」そして「迷惑をかけたこと」などを年代別に見つめていくという内容になっています。

私たちが一般的に過去を振り返る理由や目的とは異なりますが、それによる効果が認められており療法として活用されている点は興味深いですね。

夏野久万
夏野久万

確かに、そういえば過去を振り返ることで、「あのときあの人はこんな気持ちだったのかも」と感謝の気持ちが生まれたことも……。

何も15時間おこもりをして、過去を振り返りましょう!とは言いませんが、過去を振り返ることで、当時、気づけなかった気持ちを知る機会になるかもしれません。

夏野久万
夏野久万

それってある意味、「初心に戻れるチャンス」でもありますね!

未来への不安に対する抵抗力がつく

ノースダコタ州立大学の心理学者クレイ・ラウトリッジ(Clay Routledge)氏とサウサンプトン大学の研究グループの研究によると、過去を思い出し懐かしさを感じる「ノスタルジー」は、哀しみなどから心を立ち直らせる力がある共に、未来の不幸に対し、心に抵抗力がつくことも分かってきたのです。

夏野久万
夏野久万

過去を振り返ることで「こんなこともあったが、今なんとかなっているから大丈夫!」と思え、自信に繋がるのかもしれませんね。

短期的な振り返りは、成長につながる

過去といっても何十年前ばかりが「過去」ではなりません。

昨日のできごとは、自分にとって過去であり、もっといえば、この記事をクリックした数秒前でももう立派な「過去」。

では短期的な過去を振り返ることに、どのようなメリットがあるのでしょうか。

それは自分にできること、できなかったことを確認できる点にあります。

たとえば、「今日で溜まっていた仕事を終わらせる!」と思っていたけれど上手くいかなかったとしましょう。

「なぜできなかったか」反省するためには、過去を振り返る必要があります。

改善点を探るために振り返りを行うことで、成功に近けるのですね。

できるようになった日にも、過去を振り返ることはメリットにもなります。

「自分で自分を褒める」作業が自然とできるようになり、自己肯定感が上がるのです。

どうすればさらに良くなるか考える材料にもなるでしょう。

短期的な振り返りを繰り返すことで、周りよりも早く成長できる可能性がアップするのです。

過去を振り返ることのデメリット

カーテン越しに窓の景色を見る女性

適度に過去を振り返ることはメリットになりますが、過去にとらわれ過ぎると「今」の生活が上手くいかなくなってしまいます。

年配者が「今の若者は!」と、若い年代を悪く言う構図は昔からありますよね。

それは「ポジティビティ効果」や「レミニセンス・バンプ」と呼ばれる、認知バイアスが関係し過去を美化して思い出し過ぎてしまっているせいかもしれないのです。

ちなみに「ポジティビティ効果」とは、「年齢を重ねるにつれてポジティブなことを多く覚えている」ことです。

そして「レミニセンス・バンプ」は、年齢を重ねるにつれて、若い時代(10代から30代)の良いことをたくさん思い出し、懐かしむようになること。

この2つが重なることで自然と過去を振り返る機会が多くなり、その内容が自分の都合のいいことばかりを思い出しがちなため、「今の時代」に対して文句を言いたくなってしまうのですね。

このように過去を振り返ってばかりいると、「今」が色あせて感じてしまう場合があります。

あくまでも「振り返る」ことが大切で、主軸は「今」に残しておきましょう。

今すぐできる簡単に過去の振り返り方:紙に書き出す

窓際のテーブルで紙に何かを書く様子

年代別に自分の過去を紙に書き出してみると、自分の好きなものの変化や強みが見えてくることがあります。

私の場合、好きなことがたくさん変わり、一貫性のない人間だと感じていたのですが、実は「書くことが好き」というブレない軸があることを知りました。

そしてその基盤をつくった時期なども棚卸しをすることで分かっていき、人への感謝の気持ちが生まれたのです。

自分の過去を知らない人にインタビューされてみる

二人がインタビューをする様子

一度だけ、とあるライターさんにインタビューをしてもらったことがあります。

その方は、過去の出来事を掘り下げ、さまざまなことを聴いてくれるタイプのライターさん。

それにより、気づかなかった自分の思いに触れることができ、新たな側面を知る機会になりました。

夏野久万
夏野久万

私が取材を受けたライターさんはベテランの方でしたが、ライターの実績が欲しい方や心理学を学んでいる人などが知り合いにいれば、お願いしてもいいかもしれませんね!

「あの頃」好きだったものに浸ってみる

私の場合は、ユーノスロードスターに乗っていたので、ユーノスロードスターを見ると懐かしさを感じ時間がさかのぼります。

あとは、よく聴いていたB’zや浜崎あゆみさんの楽曲を聴くと、懐かしい時代を思い出し過去を振り返るきっかけになっている気がします。

このように自分の好きなものを、過去を振り返る「扉」にしてもいいですね。

上手に過去を振り返りながら、前へ進んでいこう

黄色い矢印を踏む黒い靴

過去と上手に向き合えれば、今をよりよく生きることができるはず。

適度に過去を振り返りつつ、前へ進んでいきましょう!

The following two tabs change content below.
夏野久万

夏野久万

フリーライター。冊子や新聞のほか、恋愛記事、書評、ビジネス系記事まで幅広く執筆。最近、小坂やささやかな階段沿いに古い建物を見てきゅんきゅんしてしまう自分に気づく「懐かしいもの」好き。幼い頃は、バービー人形でよく遊ぶ。男役欲しさに、親せきにもらった人形の髪の毛を切ってしまい親から怒られたことも(のちに某鑑定系番組で、それなりの値がついていた人形と判明)。枝豆、ソイラテ、ミックスナッツをこよなく愛する。
タイトルとURLをコピーしました