「懐かしいもの」と、言われてどんなものを思い出しますか?
性別や世代によって、懐かしいものは違いますが、共通しているのは「子どもの頃の思い出」ではないでしょうか?
新しいものが次々に発売されて、子どもの頃のものは古いものとして、記憶の底に沈んでいってしまうかもしれません。
それでも、街角やインターネット上でそれらを見かけると、ふと、懐かしい気持ちに。
本記事では1980年代生まれの私が、子どものころに見かけた懐かしいものを紹介していきます。
あまり性別が限定されないものをピックアップしているので、男性でも女性でも同じ世代であれば、懐かしい気持ちになれはず。
ぜひ、最後まで読んで子どもの頃の懐かしい記憶を思い出してみてください。
喫茶店のテーブル型筐体ゲーム
私の出身地が岐阜県ということもあり、モーニングで喫茶店に行く機会がありました。
岐阜・愛知などの東海地方ではモーニング文化があり、休日の朝は家族で近所の喫茶店にモーニングを食べに行く風習があります。
(おそらく私の家だけの風習ではないはず……)
当時の地方では、まだまだコンビニよりも喫茶店の方が多いくらいの時代。
それぞれの家に「行きつけの喫茶店」があり、お店ごとに様々な特徴が楽しめました。
そして、私がよく行っていた喫茶店の隅にあったのが、テーブル型筐体ゲームです。
テーブル型筐体ゲームとは?
ゲームセンターに置かれている筐体とは違い、文字通り本体がテーブル型になっているのが特徴。
普通のアーケードゲームは、座った位置から見やすいように、ゲーム画面が斜めになっています。
しかし、テーブル型筐体はコーヒーや灰皿など、上に物を置くのが前提の作り。
そのため、ゲーム画面が真下にあります。
プレイするには真下を見下ろしながら操作をする必要があるので、首が疲れやすい・手元が見づらいなど、デメリットが多い仕様。
一番致命的だと思うのは、蛍光灯や窓の光などが反射して、画面が全く見えなくなること。
スペースインベーダーで、敵の弾を避けられるか微妙な位置が反射で見えず、やられてしまったことも……。
テーブル型筐体の思い出
デメリットの多い、というかデメリットしか無いかのようなテーブル型筐体ゲームですが、それを補って余りある魅力があります。
田舎の子どもにとってゲームセンターは怖いイメージがあり、親と一緒に行く喫茶店なら心置きなくゲームを見ることができました。
更に、1日のゲーム時間が制限されていたこともあり、デモ画面でもゲームの画面を見ていられるのが、純粋に嬉しかったのです。
お金を入れなくてもレバーやボタンは動かせたので、自分の操作を想像しながらデモ画面を見ていました。
現在では、新しいものを見かけることはありませんが、たまにテーブル型筐体ゲームを見ると、当時のそんな記憶をふっと思い出してしまいます。
VHSビデオテープ
DVDやオンライン配信が普及する前、お気に入りのTV番組や好きな映画は、全てビデオテープに録画しておくのが一般的でした。
大きめの手帳ほどのサイズで、厚みも3センチほどあるので数が増えていくと結構な場所を取るビデオテープですが、部屋にズラリと並んだビデオテープは一種のステータスでもありました。
VHSビデオテープの仕組みと特徴
磁気テープに映像を記録するカセットテープ。
DVDなどと違い、早送りや巻き戻しをすると、物理的にテープを巻いたり戻したりするため、プレーヤーの中でゴチャゴチャにテープが絡まってしまうことも。
そうなると、どれだけお気に入りの番組が録画されていようとも再生することは難しく、泣く泣く処分するしかありません。
また、3倍モードといって、映像の劣化と引き換えに、通常の3倍の録画時間を確保することもできました。
120分のテープで360分の録画が可能になるので、基本的には全て3倍録画にしていました。
VHSビデオテープの思い出
子どもの頃は、番組の予約録画など複雑な操作が分からなかったので、深夜番組や金曜ロードショーを録画したければ、寝る時間の直前からすべて録画する、という力業を使っていました。
そのため、野球中継で番組のスタートが遅れると、ビデオテープの尺が足らず、中途半端なところで録画が終わっていることも。
当時は気軽に映画のレンタルなどできなかったので、どんな結末になったか非常にもやもやした気持ちになりました。
その時、見逃した映画を大人になってから見て「あ、こういう結末だったのか」と思うことが、いまだにあります。
また、1度録画したテープの上からさらに録画ができるので、小まめにラベルを貼っておかないと、大切な番組が上書き保存されてしまうという悲劇も。
背中にあるツメを折ることで、上書き保存ができなくなるのですが、そこをセロテープで補修すると、再び録画ができるようになります。
そんなことを繰り返していると、どれが必要でどれが不要だったのか、もう分からなくなってしまいます。
大好きな映画や番組を何度も消してしまいながら、小まめな整理整頓の大切さを教えてくれたのがVHSビデオテープです。
にゃんたんのゲームブック
今ではあまり見かけなくなりましたが、ファミコンなどと同じように本でRPG(ロールプレイングゲーム)を楽しめるのがゲームブックです。
普通の本とは違い、読者の選択次第でストーリーの展開が変わり、グッドエンドにもバッドエンドにもなります。
一般的なゲームブックは、モンスターと戦う際にサイコロを使ってランダムで展開が変わるなど、やや難易度が高く、気軽に始めるには敷居の高さを感じてしまいます。
ところが、にゃんたんのゲームブックは基本のルールを活かしつつ、子どもでも分かりやすいシンプルなシステムになっているので、気軽に楽しめる点が魅力でした。
主人公にゃんたんを操作し冒険へ
主人公のにゃんたんが、相棒のチョンぼうと世界中を舞台に様々な冒険を繰り広げます。
例えば、洞窟に入ったら道が二手に分かれている。
右と左、どちらに進むか?
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順番に読み進めるのではなく、話の展開次第で開くページが変わります。
先の展開が見えないので、ストーリーを進める度にドキドキしながらページをめくっていました。
また、迷路を進むシーンもあり、実際に指で迷路をなぞり、たどり着いた先のページをめくる仕掛けもあります。
通常は1つの迷路に対して出口は一つですが、ゲームブックという特性上、複数の出口が設定されています。
東の出口か? 右の出口か?
どちらが正解なのか、ページをめくるまで分かりません。
ページをめくって「うわー、失敗した!」と思っても、意外な逆転劇が用意されていることもあるので、最後まで諦めてはいけません。
にゃんたんのゲームブックの思い出
にゃんたんのゲームブックを知ったのは、幼児向けの本は面白くないけど、児童向けの本は字が多くて読みたくない。
そんな微妙な年頃です。
親しみやすい絵柄のキャラクターに、2回・3回と楽しめる高いゲーム性、絶対こっちが正解だ!と思ったら落とし穴に落ちるひっかけ問題。
そんな数々の仕掛けにすっかりハマってしまいました。
にゃんたんのゲームブックをきっかけに、本を読むことに抵抗が無くなり「ほうれんそうマン」シリーズや「かいけつゾロリ」シリーズを経て「ズッコケ三人組」などの児童書に興味が移っていきました。
にゃんたんのゲームブックは、子どもの興味が絵本から離れる微妙な過渡期に、絵本から児童書への橋渡しをしてくれる絶妙の本だったのを覚えています。
成長の軌跡を辿る”懐かしい”
今回紹介したものは、今となってはどれも見かけないものばかりです。
ただ、これらを通して私たちが感じたり思ったりしたことは、今もしっかりと活きているのではないでしょうか?
懐かしいものは、単に「懐かしい」という以上に、今の私たちがどのように成長してきたかを、思い出させてくれます。
人によって懐かしいと思うものは違いますが、時には少し立ち止まって、自分が子どものころに好きだったものを思い出してみて下さい。
自分が何をきっかけに成長するのか?
どんなものを大切にしているのか?
それらを知ることができるはずです。
ぜひ、たまには昔を振り返って、自分が親しんできたものを思い出してみて下さい。
箱根ヶ崎
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